ガット弦について話を進めてきましたが、ガット弦以外の素材についても是非知って頂きたいので、その「歴史的」(というほど大げさではないですが)流れも含めてお話を進めていきましょう。
別のアプローチとしては、現代の素材で使えるものを探すことです。実は黎明期の70年代初頭から現在まで使われているピラミッドの金属巻弦もひとつのソリューションです。でも金属巻弦は音の持続時間が非常に長く、巻弦以外と減衰時間が大きく異なること、そして金属的な音色がプレーン弦(ナイロン弦)とのマッチングがよくないこと、それらは早くから指摘されていてました。
70年代初頭に特に問題になったのはバス弦(diapason)よりも4コース、5コースの弦です。4コース、5コースをナイロン弦にすると太いものにしなくてはならず上手く鳴らないので、金属巻弦を張るのが一般的でした。(ルネサンスもバロックも)しかし4コースを金属巻き線にしようとすると、当時はあまり細いものはなく(今はアキラ社で発売されているナイルガット芯の銅巻弦がかなり細いです)ピラミッド社で一番細かった905番を張るしかありませんでした。これでも少し張力は強めです。3コースは当時はナイロン弦しかなく、少し太めの弦なのでよく言えば丸い音、要するにボコボコの音、4コースは金属巻弦で張力強めなのでギンギンだったということです。
少しあとになって同社からアルミ巻弦が発売され905番の代わりに使うことが可能になりましたが、それでもまだバランスはあまり良くなく、アルミ素材のため指先が真っ黒になったり耐久性がよくないという問題もありました。
6コース以下はオクターブ弦と組み合わせるので多少はマシになるものの、音の持続時間が高音部プレーンと比べると長すぎるという問題はあります。5コースの金属巻弦のユニゾンもやたら音が出すぎるという問題がありました。ルネサンスリュートをイギリス式に低音弦もユニゾンで金属巻弦にするとさらにアンバランスになります。
こういった問題は、80年代の中頃?に開発されたアキラ社のナイルガット弦によって少し解消されました。すなわち4コース、5コースにそれまで張っていた金属巻弦の代わりにナイルガット弦を張る方法が考案されました。ただこれでも今度は5コースと6コース間のアンバランスが気になります。
これらの問題を解消するのに、演奏家の中にはわざと古くなったピラミッド製金属巻弦をバス弦として張る人もいました。ただ「使い古した」弦では、押さえることが頻繁にある6コースの場合は音程の問題や耐久性の問題が出てくるので、どの程度の古さにするのかはなかなか難しいところです。
別のアプローチとしては、現代の素材で使えるものを探すことです。実は黎明期の70年代初頭から現在まで使われているピラミッドの金属巻弦もひとつのソリューションです。でも金属巻弦は音の持続時間が非常に長く、巻弦以外と減衰時間が大きく異なること、そして金属的な音色がプレーン弦(ナイロン弦)とのマッチングがよくないこと、それらは早くから指摘されていてました。
70年代初頭に特に問題になったのはバス弦(diapason)よりも4コース、5コースの弦です。4コース、5コースをナイロン弦にすると太いものにしなくてはならず上手く鳴らないので、金属巻弦を張るのが一般的でした。(ルネサンスもバロックも)しかし4コースを金属巻き線にしようとすると、当時はあまり細いものはなく(今はアキラ社で発売されているナイルガット芯の銅巻弦がかなり細いです)ピラミッド社で一番細かった905番を張るしかありませんでした。これでも少し張力は強めです。3コースは当時はナイロン弦しかなく、少し太めの弦なのでよく言えば丸い音、要するにボコボコの音、4コースは金属巻弦で張力強めなのでギンギンだったということです。
少しあとになって同社からアルミ巻弦が発売され905番の代わりに使うことが可能になりましたが、それでもまだバランスはあまり良くなく、アルミ素材のため指先が真っ黒になったり耐久性がよくないという問題もありました。
6コース以下はオクターブ弦と組み合わせるので多少はマシになるものの、音の持続時間が高音部プレーンと比べると長すぎるという問題はあります。5コースの金属巻弦のユニゾンもやたら音が出すぎるという問題がありました。ルネサンスリュートをイギリス式に低音弦もユニゾンで金属巻弦にするとさらにアンバランスになります。
こういった問題は、80年代の中頃?に開発されたアキラ社のナイルガット弦によって少し解消されました。すなわち4コース、5コースにそれまで張っていた金属巻弦の代わりにナイルガット弦を張る方法が考案されました。ただこれでも今度は5コースと6コース間のアンバランスが気になります。
これらの問題を解消するのに、演奏家の中にはわざと古くなったピラミッド製金属巻弦をバス弦として張る人もいました。ただ「使い古した」弦では、押さえることが頻繁にある6コースの場合は音程の問題や耐久性の問題が出てくるので、どの程度の古さにするのかはなかなか難しいところです。