21世紀に入ってバス弦に新たな合成樹脂素材が使われるようになってきました。それがフロロカーボン弦とローデドナイルガット弦です。
フロロカーボン素材は釣り糸として開発されたもので、別にリュート向けに開発されたものではありません。(笑)実は細いフロロカーボン釣り糸は80年代前後から1~3コース用によく使われるようになりましたが、音がシャープ過ぎるというので特に1コース用としては下火になっていきました。でも今でも根強い人気があり、積極的に使っている演奏家や製作家がいます。
フロロカーボン釣り糸日本の会社が製造しているので、日本ではそこらの釣り具屋でいくらでも購入できましたが、ヨーロッパでは入手が簡単ではありませんでした。スイス人のリュート演奏家に頼まれてこちらから釣り糸を送ってあげたり、またある製作家とはおいしいスイスチーズと物々交換したりしたこともありました。
その頃は太いフロロカーボン釣り糸はなかったのですが、21世紀に入って鮪釣り用の太いものが発売されるようになってきました。それもまるで日本の釣り糸メーカーにリュートを弾いている人がいるかのように、いろんなゲージがそろっていて、実際バロックリュートの13コースまで全てのゲージが揃いました。鮪の需要が伸びたことがリュート弦に新しい選択肢をもたらしたのでしょうか。釣り糸メーカーとしては、ハープなど(ひょっとしてリュートなども?)の需要を見込んだのかも知れません。実際知り合いのハーピストは使うこともあると言っていました。現在サバレス社から極細から極太までゲージが揃った弦が発売されています。
さらに2016年秋頃(だったと思いますが)にアキラ社から比重が2を超える※ローデドナイルガット弦が発売されました。これはなんとリュートのバス弦専用です。私もすぐに注文しましたが、手にしたのは翌年の春でした。この弦、実は欠陥商品で、太いバス弦なのにすぐ切れるのです。張っている最中に切れたり、1,2日後に切れたり。Twitterを見てみましたら、世界中で話題になっていました。といってもリュートのこういった弦を張る人は極少数なので皆さん紳士的でしたが、メジャーな製品でこんなことがあったらえらいことです。
メーカーは改良品をすぐに出して、その後も改良が続き現在では実用上問題のないところまで来ています。ただし張力4.5kgまでで張りなさいというメーカーの条件がついています。まぁ計算上2.5kg程度なら余程のことがないかぎり部分的に4.5kgを超えることはないでしょう。ただ強度が不足しているのも事実なので、1年に1回くらいは張り替えた方がいいと思います。私の実績でいうと2018年以降の製品で1年くらい張っていて切れたことはありません。2年間は張ったことがないのでわかりませんが、楽器のメンテも兼ねてほどほどの期間で交換するのが吉でしょう。
※フロロカーボンが約1.8、プレーンガットが約1.4、ナイルガットが約1.3、ナイロンが約1.1
フロロカーボン素材は釣り糸として開発されたもので、別にリュート向けに開発されたものではありません。(笑)実は細いフロロカーボン釣り糸は80年代前後から1~3コース用によく使われるようになりましたが、音がシャープ過ぎるというので特に1コース用としては下火になっていきました。でも今でも根強い人気があり、積極的に使っている演奏家や製作家がいます。
フロロカーボン釣り糸日本の会社が製造しているので、日本ではそこらの釣り具屋でいくらでも購入できましたが、ヨーロッパでは入手が簡単ではありませんでした。スイス人のリュート演奏家に頼まれてこちらから釣り糸を送ってあげたり、またある製作家とはおいしいスイスチーズと物々交換したりしたこともありました。
その頃は太いフロロカーボン釣り糸はなかったのですが、21世紀に入って鮪釣り用の太いものが発売されるようになってきました。それもまるで日本の釣り糸メーカーにリュートを弾いている人がいるかのように、いろんなゲージがそろっていて、実際バロックリュートの13コースまで全てのゲージが揃いました。鮪の需要が伸びたことがリュート弦に新しい選択肢をもたらしたのでしょうか。釣り糸メーカーとしては、ハープなど(ひょっとしてリュートなども?)の需要を見込んだのかも知れません。実際知り合いのハーピストは使うこともあると言っていました。現在サバレス社から極細から極太までゲージが揃った弦が発売されています。
さらに2016年秋頃(だったと思いますが)にアキラ社から比重が2を超える※ローデドナイルガット弦が発売されました。これはなんとリュートのバス弦専用です。私もすぐに注文しましたが、手にしたのは翌年の春でした。この弦、実は欠陥商品で、太いバス弦なのにすぐ切れるのです。張っている最中に切れたり、1,2日後に切れたり。Twitterを見てみましたら、世界中で話題になっていました。といってもリュートのこういった弦を張る人は極少数なので皆さん紳士的でしたが、メジャーな製品でこんなことがあったらえらいことです。
メーカーは改良品をすぐに出して、その後も改良が続き現在では実用上問題のないところまで来ています。ただし張力4.5kgまでで張りなさいというメーカーの条件がついています。まぁ計算上2.5kg程度なら余程のことがないかぎり部分的に4.5kgを超えることはないでしょう。ただ強度が不足しているのも事実なので、1年に1回くらいは張り替えた方がいいと思います。私の実績でいうと2018年以降の製品で1年くらい張っていて切れたことはありません。2年間は張ったことがないのでわかりませんが、楽器のメンテも兼ねてほどほどの期間で交換するのが吉でしょう。
※フロロカーボンが約1.8、プレーンガットが約1.4、ナイルガットが約1.3、ナイロンが約1.1