リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ガット弦に思う(16)

2020年06月22日 10時09分31秒 | 音楽系
色んなプロ奏者がいて、色んな弦のソリューションがあります。ひとつのソリューションにこだわらないで、広く目を見開いてみることが大事だと思います。あのエラい方がおっしゃったのだから絶対に間違いはない!のはその通りかもしれませんが、世の中そんなに単純なものではないかも知れません。ガット弦もいろいろあるし合成樹脂弦もいろいろあります。

リュートの弦に関してはまだ「開発途上」です。リュート自体は古い楽器ですが、現代の古楽器リュートは70年代に再現が始まったばかりの新しい楽器でもあります。黎明期も含めて50年、ある程度の成果を見てからだと40年未満の歴史しかありません。リュート用の弦についてはさらに短いのです。

ギターやヴァイオリンのモダン楽器としての歴史は古楽器としてのリュートのそれよりずっと長いのです。「開発途上」のリュートが少々面倒くさいのも致し方ないのかも知れません。でも遠からず他のモダン楽器なみになっていくでしょう。これでも昔よりは随分楽になりましたから。