ウィーンにはなかなかいいソースがあります。演奏が難しい曲中心の写本が多い中、オーストリア国立図書館蔵のMus.Ms.17706写本は冒頭に初心者向けと目される曲が何曲かあります。私の教則本用にこの写本から何曲か選んでいます。2ページ目の冒頭のシャコンヌは短いながらもなかなかの佳曲です。以前アップしましたが、下のリンクからお聴きください。
シャコンヌ(Mus.Ms.17706, P.2)
このシャコンヌは押弦と弾弦だけの視点で見れば、とても簡単だと思いますが、イネガルしながら流れるように弾くこととか装飾を綺麗に弾くという視点を加えると意外と手ごわいです。なめてかかってはいけません。演奏技術というととかく弦を押さえられるかどうかとか速く弾くということだけだと捉えられがちですが、流れるように綺麗な音で流麗に装飾をほどこすというのも演奏技術のひとつです。これらは音楽表現に直接つながる技術です。いきなり押弦、弾弦が難しい曲を弾く前にこのくらいの曲で音楽表現を磨いた方が早く上達すると思います。
ある程度勉強した方の曲選びの目安と練習方法ですが、次のようなことを参考にするといいのではないでしょうか。
ゆっくりテンポでもいいですからほぼ初見で終わりまで通る曲を選ぶ。何日も練習してやっと「音が取れた!」、さて今から「表現をつけよう」というのはそもそも方法論として間違いです。楽譜(タブ)は音を取るためのものではなく、それで演奏するためのものです。表現はあとでつけるものではなく、演奏そのものが表現であり表現のない演奏(練習)はあり得ません。初見なんてできないとおっしゃる方はずっと簡単な曲でタブをスムーズに読めるようになるよう練習しましょう。
さて件の写本です。多くはフランスのソースで、ガロ、ゴーティエ、デュプレなどの名前が見られますが、ロジー伯やギンターなどの作品も見られます。50ページにあるロジー伯のシャコンヌは、写本2ページ目のシャコンヌととてもよく似た雰囲気の曲ですが、こちらは24の変奏を伴う大変立派な曲です。でも指の技術的にはそれほど難しくはありませんから、初めのミニ・シャコンヌを綺麗にひけるようになったら十分に取り組むことができる曲です。
シャコンヌ(Mus.Ms.17706, P.2)
このシャコンヌは押弦と弾弦だけの視点で見れば、とても簡単だと思いますが、イネガルしながら流れるように弾くこととか装飾を綺麗に弾くという視点を加えると意外と手ごわいです。なめてかかってはいけません。演奏技術というととかく弦を押さえられるかどうかとか速く弾くということだけだと捉えられがちですが、流れるように綺麗な音で流麗に装飾をほどこすというのも演奏技術のひとつです。これらは音楽表現に直接つながる技術です。いきなり押弦、弾弦が難しい曲を弾く前にこのくらいの曲で音楽表現を磨いた方が早く上達すると思います。
ある程度勉強した方の曲選びの目安と練習方法ですが、次のようなことを参考にするといいのではないでしょうか。
ゆっくりテンポでもいいですからほぼ初見で終わりまで通る曲を選ぶ。何日も練習してやっと「音が取れた!」、さて今から「表現をつけよう」というのはそもそも方法論として間違いです。楽譜(タブ)は音を取るためのものではなく、それで演奏するためのものです。表現はあとでつけるものではなく、演奏そのものが表現であり表現のない演奏(練習)はあり得ません。初見なんてできないとおっしゃる方はずっと簡単な曲でタブをスムーズに読めるようになるよう練習しましょう。
さて件の写本です。多くはフランスのソースで、ガロ、ゴーティエ、デュプレなどの名前が見られますが、ロジー伯やギンターなどの作品も見られます。50ページにあるロジー伯のシャコンヌは、写本2ページ目のシャコンヌととてもよく似た雰囲気の曲ですが、こちらは24の変奏を伴う大変立派な曲です。でも指の技術的にはそれほど難しくはありませんから、初めのミニ・シャコンヌを綺麗にひけるようになったら十分に取り組むことができる曲です。