リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

この道はいつか来た道

2021年01月30日 14時27分49秒 | 音楽系
この道はいつか来た道、といっても日本の行く末を論じるのではありません。北原白秋作詞、山田耕筰作曲の歌曲のことです。この曲を今度の20日のコンサートで演奏する予定です。昨日ソプラノの佐地多美さんと初めてのリハーサルを行いました。もちろん感染対策は万全で、私はマスク着用、佐地さんとは2メートル以上離れてお互いが向き合わないで90度の角度になるようにしました。

この演奏会では日本歌曲を何曲か演奏しますが、中田喜直作品以外は伴奏をすべて書き直しています。「この道」も少しモダンに仕上げてみました。もともとはギター三重奏のためにハ長調で編曲したものですが、これを415のヘ長調に移調しました。オリジナルはホ長調なので、440のホ長調と同じ響きになります。リュート伴奏はギター2台分を弾くので実はとても大変、かなりオリジナルの編曲を書き直しました。中田喜直のピアノ伴奏をリュートで弾けるように書き直すのも結構大変でしたが、自分が書いた編曲でも違う楽器のためのものをリュート用に書き直すのもなかなか骨が折れます。出来上がった「再」編曲も結構難しいです。あまりリュートフレンドリーではありません。

今回使用する「この道」のアレンジ

元の編曲はこんなサウンドです。(ビオラとギター2台の音です)

この道をYouTubeで調べてみましたら、クラシックの声楽の方だけでなく沢山のアーチストが手掛けているのにびっくりしました。古くは美空ひばり、ザ・ピーナッツ、倍賞千恵子、森昌子、大貫妙子、うたのおにいさん、SAYA, Exile ATUSHIなどなど。クラシック系の人たち、特に昔の方たちに顕著ですが、「ああ、そうだよ」の「ああ」をえらいきばって思いっきり音を伸ばして歌う人が目立ちます。もうまるで自分の声が出るのを見せびらかすように。でも私には少し滑稽に感じます。

「この道はいつか来た道」と問いかけて「ああ、そうだよ」と答える。ひとり語りかも知れません。そんなときに「あ~~あああああああ~~~~~~ーーーーー、そーだよ~~お~」っていいますか?でも耕筰先生自ら伴奏した録音を聴いたことがあるのですが、歌の人は「あ~~あああああああ~~~~~~ーーーーー、そーだよ~~お~」ってやってました。(笑)当時の声楽のスタイルなんでしょうか。それを聴いて白秋先生はどう感じられたのでしょうか。

コンサートは2月20日(土)13:30名古屋・伏見の電気文化会館ザ・コンサートホールです。