そこは日本【追記あり】【追々記も】

特殊詐欺に関与した窃盗の疑いで容疑者としてフィリピンから強制送還された2人は機内で逮捕されたそうです。機内は日本ということですね。事例は違いますが、私が留学していたスイスのバーゼルにも同じようなことになるところがあります。

別に逮捕されるわけではありませんが、スイス・バーゼル市中心部にあるバーゼルSBBという駅の構内に「フランス駅」があります。ここはスイスの街中の駅ですが、駅構内北西部に入り口があるフランス駅は入るとフランス扱いになります。パスコントールもありますが、スイスから出て行くときはとくに何のチェックもありません。スイス当局からすれば、できるだけお国から出て行ってもらった方が都合がいいと考えているのかもしれません。

その代わり入ってくるとき、つまりフランスからこのバーゼルSBBに到着するときは、「フランス駅」でしっかりチェックされます。といっても全員を対象というわけではありませんが、私は怪しい人間に見られていたのか、チェックされることが結構ありました。

バーゼルにはもうひとつ「ドイツ駅」というのもありまして、ここは先ほどのフランス駅と同様この駅の中でパスコントロールします。この駅はライン川の川向こう（クライン・バーゼル）あり、SBBからは少し離れたところにあります。バーゼルのすぐ近くのドイツの街に行くときはこのドイツ駅から列車に乗ります。Lörrachというドイツの街に住んでいるロバート・バルトの家に行ったときはこの駅から乗りました。ドイツの街といってもバーゼルから10km程度の所ですので、

バーゼルには空港がありますが、空港自体はフランスの領地にあります。そこにはSBB駅前からバスで行くのですが、列車と異なりバスに乗ったらそこはフランスという訳ではありません。バスの中はずっとスイスのままです。フランス領に入り空港の建物の中に入ってもまだスイス。その建物の中にここからフランスという結界がありそこを超えて初めてフランス入国ということになります。そのまままたバスに乗って帰れば、体はフランスに入っているのですがスイスのままバーゼルに帰着できます。パスポートなしでスイスからフランス見物ができるわけです。もっとも道中は大したものはありませんが。

バーゼルはフランスとドイツに接している国境の街ですので、日本では見られない興味深い場所があります。

【追記】
飛行機が日本のものだと多分搭乗したところが日本になると思うのですが、強制送還なので多分フィリピンの飛行機かもしれません。もしそうなら日本の領空に入ってから逮捕になると思います。いずれにせよこのあたりはよくわかりませんので、ご容赦願います。

【追々記も】
テレビで見ましたら飛行機はJALでしたね。逮捕のタイミングはどうだったんでしょう？