リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

日本でリュートが始まった頃(6)

2023年06月05日 22時56分48秒 | 音楽系
ドンボワ氏が手の故障で弾けなくなったことに関してですが、ネットに「事故」で手を痛めて弾けなくなったとしたり顔で(かどうか知りませんが)解説している記事がありましたが、そうではありませんよ。

氏の手の故障に関しては1972年4月の静岡県御殿場市における古楽講習会場で氏に近い筋の参加者から聞きました。

バッハアルバムを制作する際に不明の原因で右手で弦が弾きにくくなり、手術をしたのですが、結果が思わしくなく(多分手術の際どこかの神経を切ってしまったのかも知れません)弦を弾く動作ができなくなったという話でした。

1979年にバーゼル・スコラカントルムで氏のレッスンを受けた際には、やはり弦を弾くことはできず模範演奏はできませんでした。しかし鍵盤楽器は弾くことができ、クラヴィコードで音を出してレッスンをしていただきました。