リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

日本でリュートが始まった頃(10)

2023年06月09日 15時17分33秒 | 音楽系
一方ギターもまだ弾いていて、大学3年生の頃には、中部日本ギター協会主催新人演奏会に出演したり、愛知県在住の若手ギタリストグループに入れてもらって一緒にコンサートをしたりしていました。その少しあとにはギター教室で教えたりレストランのギター弾きをすることになります。四日市でギタージョイントリサイタルを行ったのは大学4年生時1974年の3月です。

どういう経緯だったかは忘れましたが、大学の4年先輩(卒業生)でリュートに関心がある方に出会うことがありました。その方とは今も交流がありますが、東京在住で東京のアマチュアグループがあることを教えてもらいました。

N氏の楽器を入手する少し前の72年3月には公的に募集した初めての古楽講習会が静岡県の御殿場市で開催されました。このことについては以前のエントリーで書きました。

この講習会はバッハのカンタータ198番の蘇演がテーマで、この曲を演奏するのならリュートを弾く人が来ているに違いないということをねらって参加しました。予想どおりSさんとNさんがリュート奏者として参加されていました。Sさんがサネッティの楽器を持ってきていて、見せて頂いてがっかりしたのは本連載(7)で書いた通りです。

Sさんはその後オランダのアムステルダムに留学されましたが、残念ながら思わしくなく現地に留まり別の職を得て成功しました。Nさんはドイツのケルンに留学されましたが3年くらいで帰国しました。帰国後一度お目にかかったことはありましたが、その後の消息はわかりません。