リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

フレットを替える

2024年02月04日 12時27分46秒 | 音楽系

3月17日のリサイタル本番に向けてフレットを交換しました。前回交換したのが11月22日でしたからまだいいような感じですが、この先練習量も増えていきますので、ここで替えておかないと本番では音がへたりすぎになるでしょう。

テーブルの上に乗せて1フレットから替えていきます。フレットを巻くときは低いフレットの位置で巻いて、それを下(ロゼッタの方向)にさげることによってかちっとしまるようにします。1フレットの場合は下げる余地が少ないので、なかなかカチッと締めるのが難しいです。

そこで思いついたのはアキラの合成樹脂フレットです。これが発売されたとき一応評価用に全ゲージを買っておきました。実は9フレットはある事情でこの合成樹脂フレットを使っていてまぁ何とか問題なく使えています。合成樹脂フレットはこま結びするだけで手早くかっちり巻くことが出来ます。ですから1フレットもと思い、1.20mmを巻いてみました。ところが音がボコボコであまり良くありません。かっちり締めたつもりですが、カドが浮いているのかも知れないので見てみましたが、カドは浮いていません

細い合成樹脂フレット(9フレットで0.85mm)だと問題にならなかった素材のソフトさが太くなると音質に影響を与えるようですので、合成樹脂フレットは止めてオーソドックスなガットで巻きました。

まだ他のフレットに比べて1フレットは少し緩めですが、演奏していてフレットがずれるということはないレベルです。緩み始めていた他のフレットもずれることがなくなり、正確な調弦がしやすくなりました。私は平均律の位置から微妙にフレットをずらして言わば「疑似平均律」的なフレッティングを使っていますが、ずらすのはホンの少しですのでフレットが勝手にちょこっとずれてしまうとうまく合わせられなくなります。

本番までまだ1ヶ月以上ありますので、替え時としては微妙でしたが、まぁ減ってきたらまた替えましょう。弦は3週間くらい前に替える予定ですが、バス弦だけは少し早めに替えておこうと考えています。