リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

無理な曲を弾く(3)

2024年02月09日 21時13分33秒 | 音楽系

こういった経緯もあり私の教室では基本的にバッハのレッスンは行いません。しかしどうしてもバッハをという方のために「バッハ体験コース」を用意しています。これはバッハの曲を習得することは求めず、いわば「バッハ解説ツアー」という感じのレッスンです。しかし時間に余裕のある方ならぜひ正攻法でバッハに向かって行ってほしいとおもいます。

その正攻法のために、今曲集を整備しているところです。バロック・リュートの教則本で12曲、Easy Baroque Lute Pieces 1(イバリピ1)で12曲、同2で12曲、Medium Baroque Lute Pieces 1,2 (ミバリピ1,2)で各12曲計24曲、これら合わせて60曲をえらびました。今のところミバリピ1までできています。ミバリピ2も選曲は終えていますので、あと2息くらいで完結です。

これらの曲から沢山のことを学んでやっとヴァイスのファンタジアの背中が見えてくるという感じでしょうか。バッハもチェロ組曲の短い曲なら射程に入ってくる感じです。

バッハ演奏に関してはリュートではこのようにしてある程度道筋がある(つけたつもり)のですが、ギターに関しては基本的にバロック時代の楽器ではないだけに道筋をつけるのが難しいかも。ちょうど半世紀前まではギタリストだったので少しは気になります。ギターの場合、古典的な曲に関してはエチュードも整備されていて昔に比べれば優秀な先生もいらっしゃるのできちんと勉強できる環境はあると思います。無茶苦茶なバッハを弾かないでそうしたところできちんと勉強し直すべきです。年配で自称プロみたいな方もプロでない方もバッハを弾くのであればそうすべきです。四畳半の部屋でバッハを弾いているのならともかく、人前(あるいはネット公開)で無体なバッハ演奏をするのはバッハに対して失礼です。もちろんバッハだけでなく他の作曲家の場合も同様です。