リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ZOOM3回目のサブスク支払い

2022年03月10日 10時25分20秒 | 音楽系
2020年の3月、予定していたコンサートやリハーサルがコロナのために全て中止延期に追い込まれ、これではイカンと始めたのがZOOMによるオンラインレッスンでした。ZOOMは無料でも利用可能ですが、レッスンとしては多くの機能がある有料契約の方がいいだろうと考え年間サブスクすることにしました。今月、3回目のサブスク支払いを致しました。

当初はオンランレッスンはつなぎのつもりだったのですが、今では全てのレッスンをオンラインでこなしています。もっとも4月くらいからは多少は対面もあった方がいいだろうということで、一部対面レッスンを再開する予定です。

オンラインレッスンはどのようなハードウェアを用意するかでかなり充実度が異なってきます。いろいろ試してみた結果、まずマイクはUSB接続のコンデンサーマイクがよろしいです。もちろんもっと高級なシステム、ミュージックインターフェースを使用しこれに少しお高いコンデンサーマイクを接続するのがベストでしょうが、まぁそこまで行かなくても1万円前後のUSB接続のコンデンサーマイクで必要十分でしょう。なによりパソコンとUSBで接続するだけですから圧倒的にインストールが簡単です。

コンピュータは、iPadでも可能です。iPhone でもできますがちょっと画面が小さすぎます。iPadの場合はマイクもカメラも一緒のオールインワンですので最も楽なのですが、マイクが少し貧弱すぎます。PC ( Windows or Mac etc.) を使った方がいろいろ設定や接続もしやすくベターだと思います。

カメラはノートパソコンについているカメラでは少し実力不足です。もちろん一眼レフを使えば最高ですが、ちょっとオーバースペックかも。iPhoneのカメラはとても高性能なのでこれをPCで使うという手もあります。それを可能にするiVCamというアプリがありまして、これをiPhoneとPCの両方にインストールして使います。iPhoneをを持っている方ならタダで高性能カメラとして使用可能です。実は私もこの方法を採っています。

オンラインレッスン(オンライン会議も同様ですが)にお薦め機材をまとめてみました:

PC(Windows、Mac、できれば20インチ以上のモニター画面)+USB接続のコンデンサーマイク(AKG Ara-Y3、Lyra など)+iPhone カメラ(iVCamアプリで使う)(一眼レフならもっとよい)

iPad(できればiPad Pro)にコンデンサーマイクを接続して使うのもいけるでしょう。ただ接続のためのアダプタが必要です。

必要十分な機材を揃えさえすれば対面レッスンとなんら変わらないレッスンが可能です。ZOOMには録画機能や画面共有機能があるので、これは対面より優れています。ひとつだけ問題点をあげるとするなら、通信にレイテンシー(遅延)が生じるため同時タイミングで弾く(例えばバスをこちらが弾いて一緒に合わせるなど)ことができないことです。これは5Gになっても解決されることはないそうですからあきらめるしかありませんが、時間や交通費が節約できるオンラインレッスンはコロナ禍で生まれたものではありますが、今後も続いていくものと思われます。

イバリピ1、イバリピ2

2022年03月09日 11時34分52秒 | 音楽系
バロック・リュートの初級者中級者向け曲集、イバリピ1と2が完成しました。イバリピは「イージー・バロック・リュート・ピーシズ」の略です。



表紙をめくると内表紙があり、さらにめくると1月24日のエントリーでご紹介した「前書きにかえて」のページです。

バロック・リュート初級者、中級者向けの曲集は世界的に見てもほとんど整備されておらず、初級者向けと銘打った曲集はあっても結構難しかったり何より曲がつまらなかったりします。そもそも曲数も不足しています。こうした状況が「いきなりバッハ」「いきなりヴァイス」「いきなりフレンチ」「いきなり通低」を生む土壌になっていることを憂えていましたが、私としても何とかしなくてはという思いに駆られ初級者中級者向けの曲集を作ろうと決めた次第です。

このために中央ヨーロッパの写本を中心にもう少し東の地域とフランス、フランドルの写本を含めて1000ページ以上(数えたわけではありませんが、多分。もっと多かったかも)も閲覧しました。もちろん楽器は持たずに、昨日のエントリー4)よろしくPDFをPageUpDownキーを押しながら繰っていくのです。楽器を持っていちいち弾いていたらとても時間的にも手間的にも持ちません。各曲集用候補曲を15から20曲ほど選んで初めて楽器で弾いてみます。ここはやはり実際に弾かないと初級者中級者が難しく感じるところが見えてきません。

この2冊の次はミバリピ1,ミバリピ2(ミディアム・バロック・リュート・ピーシズ)の2冊を順次刊行予定で曲の難易度はだんだん上がっていきます。各巻12曲所収で、既刊のバロック・リュート入門教本の第3部「名曲集」の12曲を入れると60曲になります。ミバリピ2の最後は象徴的な意味※も込めてヴァイスのファンタジーハ短調にする予定。この曲に至る前の59曲に必要な表現力、技術力をつければきちんとファンタジーを弾く素地は出来ているはずです。

表紙は極厚手の色紙、各ページは110kgの少し厚手の紙を使用しています。ご希望の方はshoji726lute@gmail.comまでメールを下さい。1冊1500円(税込み)+送料370円です。

※どうして象徴的かというとそれは「前書きにかえて」をお読み下さい。前書きにかえて

みんなのリュート通奏低音(8)

2022年03月08日 12時18分54秒 | 音楽系
読譜や楽器での和音演奏の総合運用力につながると思いますが、つぎの練習をするのはとても有用だと考えています。

1)タブを見て曲を楽器で弾く練習する。
2)その曲を暗譜して楽器で弾く。

ここまでは普通ですね。

3)その曲をタブを見て頭の中で音を再現する。(楽器は使いません)

ポイントは音を再現しつつリュートの左手の押さえているところ(どの指でどの弦を押さえているか)と右手(どの指を使っているか)のイメージも再現することです。

ここで音というのは楽譜に書かれている音全てです。全てを正確に。メロディだけではなくバスやその他の音もです。その音と、イメージの中の弦、押さえている指、はじいている指を一致させます。←ここが一番重要!


4)その曲をタブを見ないで頭の中で音を再現する。(もちろん楽器は使わず)(3)のイメージつきです。

5)その曲を楽器を使わないでタブで書いてみる。左手のイメージをタブにしていくという感じです。

元のタブと同じものが書けていれば合格です。余裕があれば5)のところで五線譜にも書いてみるのもいいでしょう。{ポイント6}で五線譜の読譜力がついていればそう難しくないはずです。

慣れてくると楽器は全く使わずに暗譜して、練習して、最後に楽器で演奏するという技も可能です。これは相当高度な内容なのでここまで出来なくてもいいですが。

この練習は頭のなかにバーチャル・リュートを作る練習です。リュートのどの弦のどのフレットを押さえて弦をはじけばどんな音がでるのかを単音単位、さらには複音単位で頭の中で再現するということです。年齢や個人差もありますが、この方法で絶対音感が身につくこともあります。

{ポイント7}
長い曲や複雑な曲でこの練習をするのはとても難しいので、やさしい曲で4小節、8小節といった短い単位にしてこの練習ができるようになれば充分です。

速っや!

2022年03月07日 17時50分22秒 | 日々のこと
速っや!と書いて「はやっや!」ではなく「はっや!」と読むのですが、何がそんなに速いのかというとSamsungのSSD970EVO Plusが速いのです。



息子に作ってやったコンピュータにM.2接続のSSDを奢ってやりましたが、これがとても速いので私の自作8号機もM.2接続のSSDに交換しました。2020年の8月に制作したのですが、バックアップを取っておかなければと思いつつもずるずると1年半以上も過ぎてしまいました。何事か起こってCドライブが使えなくなったら大変ですので、思い切って少し投資して、Cドライブのクローンを作りました。この方法は何らかの原因でCドライブがダメになっても、差し替えれば済みますので最も確実な方法です。もっともクローンはもっと安価なHDDで作ってもいいのですが・・・

息子のコンピュータにインストールしたSSDより更に高速なSamsungのSSDにしたこともあってOSの起動もアプリの起動もそして終了も今までの三分の一くらいの時間になった感じです。(計測したわけではありませんが)

1年半ぶりにデスクトップのケースを開けると、もう埃だらけ。SSDのインストール自体はマザボに差し込んでネジ1本で止めるだけですので1分もかかりませんでしたが、その前に吸排気ファンやCPUクーラーあたりの埃をエアダスタやはたきではたいて落とし、それを掃除機で吸い込んでという作業をしましたがこちらの方がSSDのインストールの何倍も時間がかかりました。ほとんど埃落としが目的だったみたいです。1年半で随分で埃は随分たまるものです。おかげですっかり綺麗になりました。SSDにはヒートシンクもつけましたので、温度は50-56度くらいでよく冷えています。

残念というか惜しかったのは1週間前に買おうかなと価格ドットコムを見ていたときより何と一気に4000円近く値上がりしていたことです。これはなんでもキオクシアの工場で事故があり部品が供給されていないので品不足になっているからだそうです。それにしてもたいそうな値上がり幅です。1週間前に買っておけばよかったですねぇ。

みんなの通奏低音(7)

2022年03月06日 13時36分55秒 | 音楽系
通奏低音は普通へ音譜表に書かれたバスのパートを使って演奏します。従ってへ音譜表をスムーズに読むことができるようになることが必要です。時にアルト記号(ハ音譜表)が出てくることもありますが、とりあえずはへ音譜表だけでいいと思います。1点ハの音は3コースの3フレットです。

あとト音譜表に書かれた楽譜を実音だけでなく1オクターブ下げた音で弾けるようにすることもとても実用的なことだと思います。というのも、例えばソロ曲の通奏低音をするときなど、ソロをちょっと弾いてみる(もちろん視唱でもいいのですが)のは曲全体を把握するのにとても有用です。鍵盤楽器だと楽譜に書かれてある通りに弾けるのですが、リュートだとそれほど高い音は出ません。そんなときに1オクターブ下げて弾き、演奏を容易にするのです。

{ポイント6}
五線譜の読譜力をつける。

停電!

2022年03月05日 14時35分20秒 | 日々のこと
今日のお昼過ぎに停電がありました。コンピュータを立ち上げて楽譜の整理やビデオクリップの編集をしていたときです。テーブル左下においてある無停電電源装置からカチッと音が聞え電源が切り替わりました。無停電電源装置を見るとランプがついてファンが回り始めました。そして間もなく復旧した旨のメッセージが画面に出ました。その間2,3秒だったでしょうか。エアコンは止まり照明も消えましたが、コンピュータは何事もなかったかのように止まらず動いています。



ネットで調べてみますと、桑名市北部、多度町、長島町で13時23分に停電が発生し、25分に復旧したと出ていました。



ウチの無停電電源装置のログには13時23分52秒から3秒間停電したと記録されていました。中部電力のサイトに記載されている停電の地域にはウチの町内は記載されていませんでしたが、3秒の停電だったからということでしょう。記載地域は2分停電していたわけですから、結構長く感じたに違いありません。

3秒でも停電するとコンピュータのシステムは結構な打撃を受けるわけなので、2年前に無停電電源装置を導入しました。起動したのは導入してからこれで2回目です。なんかここ何年かで少し停電が多くなった感じがします。そもそもそれが無停電電源装置を導入した理由ですが。年に何回も停電があるわけではないですが、全くないわけではありません。デスクトップPCで仕事をされる方は必須のような感じがします。300小節待ちで一発だけたたくという打楽器奏者みたいに頼もしいです。


Sally Gardens

2022年03月04日 15時31分37秒 | 音楽系
サリー・ガーデンをソプラノの増野由香さんとコラボしました。



撮影は桑名市内の大山田キリスト教会で行いました。使用機材は、SONY ZV-E10です。レンズは単焦点のSEL35F18を使いました。背景のボケは綺麗にでますが、スマホのカメラくらいの広角の方が録りやすい感じはしましたが、まぁ広いところだったので特に問題はありませんでした。

伴奏のアレンジは少し凝ったハーモーニーやラインを使ってみました。この曲の伴奏は大体3コードの素朴系が多いのですが、メロディは素朴だけど曲全体のハーモニーは陰影の深いサウンド、みたいなところを狙いました。使用楽器はモーリス・オッティジェー作7コースルネサンス・リュートです。弦長57cmのかわいらしい楽器です。

ヴァイスのプレスト(ソナタ28番「名だたる海賊」より)

2022年03月03日 18時33分39秒 | 音楽系
14年前に録画して、You Tubeに放置していたビデオクリップを少し作り直して再アップしました。音はあまりきれいに録れていませんし、リバーブが効きすぎいますのでちょっと今ひとつですが、聴いていると慣れます。



録画は2008年の2月29日です。めずらしい日に録ったものですねぇ。多分コンサートの直前にちょっと録ってみようかと録ってみたものだと思いますので、ミスタッチも入っています。(笑)音声トラックをもう少しきちんとしたものにしたかったんですが、オリジナルがなく当時かけた安物のリバーブがかかったものしかなかったので響きすぎています。

使用した機材は覚えていませんが、オリンパスだったかの画と音を同時に録れる小型の機材だった思います。これは実は少し欠点があり、画と音が少しずれるのです。ずれは大体50ミリセカンドくらい(1秒の50/1000)です。これをビデオ編集ソフトのMAGIX Vegas Proでずれを補正しましたので、画像と手と音がぴったり合うようになりました。

みんなのリュート通奏低音(6)

2022年03月02日 11時13分57秒 | 音楽系
左手の技術がしっかりと身につき、和音もきれいに出せるようになったら、とりあえずリュートの通奏低音感を味わうために、市販のリアライゼーションタブを買って弾いてみるというものいい選択だと思います。

鍵盤楽器用のこの手の楽譜はそれこそ腐るくらい出版されていますが、残念なことにリュート用にリアライズされたタブはほとんどないのが現状です。私自身随分前に手に入れたリッチオの曲しか手元にありません。(確かリアライズはユングヘーネルだっと思います)

ただ運良くこういう楽譜を手に入れたり、あるいはどなたかにリアライゼーションのタブを作ってもらったりしてそれを見て演奏するというのは、通奏低音でもなんでもありません。通奏低音を演奏するということは、バスとそれに付随して書かれた和音を表す数字をその場で見て演奏するということです。

{ポイント5}
とりあえずリアライズされた楽譜(タブ)を弾いてみる。ただこれは通奏低音ではなく単にお試し程度の意味しか持ちませんが、他の楽器と合わせるのはいい体験になるでしょう。

テクニシャン

2022年03月01日 20時56分02秒 | 日々のこと
昨日健康保険税と固定資産税の支払期限だったのをうっかり忘れていて、今日支払いに行きました。支払期限までだとコンビニで払い込みができるのですが、期限を過ぎると郵便局だけしか受け付けてくれません。

払込票を整理していたら、何と1月分の市県民税も忘れていました。そういや最近払い込みに行った記憶がないはずです。ただでさえ高いと感じているのにいくつも重なると重税感が増します。忘れていた私が悪いのですが。

銀行でお金を下ろして郵便局に行きますと、窓口で若い女性に対応していただきました。振込用紙の枚数が多いので余計な手間をおかけすることになりました。少々恐縮しながら払込用紙の金額計算や用紙の点検の手つきを見ていましたら、手のひとつひとつの動きが一般の方より一段違う速さなので、見とれていました。あんまりじっと見つめていると怪しまれるので、ときどき視線をはずしはずしでしたが。

郵便局に来る前にたまたまテレビの徹子の部屋に出ていた、学園モノを演じていた著名タレントさんの津軽三味線、タレントさんの特技集ということでやっていたのですが、もう手の動きが遅いので笑ってしまいました。年を取っているからかもともとそんな程度なのか。

そのタレントさんと比べると件の女性局員はそれはすばやく洗練されていました。そういやカキなんとかという旧桑名城の近くにあるスーパーのレジ打ちの人にも圧倒的に手の動作の速い方がいらっしゃいました。最近は見かけませんが、どうされているのでしょう。もっとも最近はレジのキーを打つことはぐっと減りバーコードリーダーの操作か、さらには電子マネーの普及でテクニックを磨く必要もなくなってきました。レジ袋も渡す必要もなくなりました。郵便局はまだ昭和をひきずっていますが、これも時間の問題でしょう。だんだん人間の能力が必要でなくなって来る世の中なんですねぇ。