長野県にカラマツブーム来る・・・・・その1

2007年11月01日 | 信州の木材
 NHKの取材を受けましたから、ご覧くださいとのお取引先からのご案内があった。今長野に「カラマツブーム」がおきているという内容である。

 放映された内容からすれば、まことに申し分のない話であるが、渦中にいる私としては腑に落ちない。
 確かに、山の現実をみればこれ以上放置できない所へきている。県産材を使った住宅を建てようと官民その方向へ動いてきていた。しかし現実は価格差であったり、木材業界の長い停滞期によりその供給体制も万全ではなくなってしまっていたりである。

 それでも県の「50万円の助成金制度」というバックアップもあって、県産材を使った家を建てたいというお施主さんも増えてきた確実に、ブームとはいえないまでも増える方向ではあったはずである。

 しかし県産材を50%以上というハードルも高いのも事実であったから、県産材を使った針葉樹合板もその数値に含めるということになった。
折りしもロシアからの材料の入手がうまくいかなくなってきた合板工場との思惑にもあい、長野県の唐松が合板工場に流れ始めたのである。

 そのボリュウムが半端ではないため、長野では「カラマツブーム」が起きたと
言われる所以である。
確かに80%も切捨てにされている現実からみれば、救世主かもしれない。しかし80%を出材するにはそれなりのコストがかかるから、今の現状ではおいそれと出材できる状況にはない。
 そうなるとどうなるか、今の市場から材の奪い合いになる。現実にそうなってきているといえるだろう。幸か不幸か公共事業の減少により、実需が少ないからパニックにはなつていないが、業界にとってむずかしい局面であることには間違いがない。

 唐松の針葉樹合板は価格が高い。これがどう市場にのれるか。これもこの「ブーム」の行方を左右するだろう。輸入材がコストを含めて困難になる方向が見えている今後、否応なしに使わなくてはならない時期はくるであろうが、それがいつになるかということである。

 「ブーム」と言われているものは恐ろしい。終わりがあるからだ。これを定着させるには、県の森林整備の入札にも行き着くだろう。そこまで踏み込まないと既存の市場がなりたっていかない。そうでないと「ブーム」で終わってしまった時、長野県の山はどうなっていくのかわからない。おりしも森林税が導入される。
たぶんこの当たりが勘案されていることだろう。
山の木は伐れても、その流れがないことにはどうにもならないから。

                            美恵子
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