院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

高級食材偽装問題

2013-11-07 00:24:42 | 食べ物
 安い材料を使って高い材料の名称を謳った有名レストランがやり玉に上がっている。

 だが、たぶん私は「クルマエビのテリーヌ」と「ブラックタイガーのテリーヌ」の区別がつかないだろう。どちらのエビもクルマエビ科だそうだ。

 エビ天はむかしはクルマエビと決まっていた。エビフライもそうだ。昔と言うのは私が大学を卒業する昭和50年くらいまでのことである。

 エビフライを初めて食べたのは昭和35年ころの三丁目の夕日の時代、渋谷の洋食屋においてだった。凄くおいしいと思った。まだマヨネーズがハイカラな食べ物だったときに、タルタルソースには驚いた。

 同じころ名古屋でもエビフライが流行り始め、名古屋育ちの妻の家庭でもよく母親が作ったという。このころの都市部では、おしなべてエビフライが普及したのであって、タモリさんが「名古屋のエビフリャー」と揶揄したけれども、別に名古屋がエビフライの発祥地ではない。

 このころのクルマエビはすべて天然で、養殖が始まったのは昭和43年である。さらにずっと遅れて、ブラックタイガーが東南アジアで養殖されて、大量に日本に入ってきた。

 ちょうど、ブラックタイガーが出始めたころからエビ天やエビフライが小ぶりになり、味も淡泊になったように思うのだが、気のせいかも知れない。ブラックタイガーはクルマエビよりもむしろ大きいからだ。味のことはわからない。


(クルマエビ。(有)上野水産ホームページより。)


(ブラックタイガー。楽天市場より。)

 馴染みの寿司屋に聞くと、寿司ネタのエビは「ギアナのアカタン」と業者の間では呼ばれている冷凍の輸入モノだそうだ。何のエビだか知らないが、ブラックタイガーではないことは身の質と味から分かるという。

 また冷凍エビでは「レアのエビ天」が造れないとも言っていた。そんな気もする。

 別の寿司屋で、ブラックタイガーを解凍して、ナマのまま寿司ネタにしていたので仰天したことは、いつぞや書いた。その寿司屋が大繁盛していることもあまりに不思議なので、そのときに書いた。