(Wikipedia, "Ben-Hur"より引用。)
人類は大昔から残酷な戦争を繰り返し、現在でも戦さが絶えない。
戦争は国や民族という「組織」の戦いである。そもそも「組織」ができたのは、農耕が発明されてから以後のことである。
農耕によって余剰ができてから、人類はヒエラルヒーを作るようになった。それ以前、狩猟採集時代は人々はバンドと呼ばれる10名から30名程度の小単位で広大な面積を動いていた。上下関係や人々を「統括」する国家というものもなかった。だから、戦争もあり得なかった。
農耕が発明され人口が増えて、「国家」あるいは「民族」の名のもとに人々が集結すると、それまでなかったような行動、すなわち戦争が起こるようになった。
高崎の猿山のサルたちは、独特の順位をもつ文化圏を形成していることが、むかし詳しく観察された。ところが後日、猿山のような厳しい掟は自然界には見られないことが分かった。つまり猿山の「文化」は、狭い場所に詰め込まれているサルにしか現れないことが知られるようになった。
ニワトリはたまに争うけれども、仲間を殺してしまうことはなかった。ところが、小屋で飼われているニワトリには「いじめ」が発生し、「いじめられっこ」は他のニワトリから死ぬまで迫害を受けた。この現象を報告したのはコンラート・ローレンツだったか?
人類も固まって農耕をやり、人口が無際限に増えたことが、それまで自然界にはなかった戦争という行動を引き起こしたのだと考えている。