院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

テレビが新聞紙を放映してどうする!!

2013-11-09 06:59:06 | マスコミ
 中学2年生の時の学校からの帰り道、いっしょに歩いていた友人が、将来、新聞社に入りたいと言った。

 そのころ全所帯に白黒テレビが普及していた。カラーテレビが出てくる前夜だった。

 私はテレビの速報性にかねがね驚いていた。たとえば、小学3年生のころ、名古屋を伊勢湾台風が襲って何千人という犠牲者が出たが、伊勢湾台風の「実況生中継」を私は東京で見ていた。

 洪水の中をボートで取材に出たテレビのクルーが、「また遺体が流れてきました!少女の遺体です!」と絶叫していたのが未だに耳に残っている。

 伊勢湾台風のニュースが新聞に載ったのは、その翌日だった。この遅さでは、新聞はとてもテレビには勝てないと思った。

 だから、帰り道をいっしょに歩いていた友人に「新聞はもう古いんじゃないの?これからは放送の時代じゃないか」と答えた。このころ、私はまだマスコミ嫌いではなかった。


(TBS「サタデーずばっと」より。)

 それから幾星霜、朝のテレビ番組では「お出かけ前の朝刊チェック」と題して、パネルに朝刊が張り付けられ、記事を読んでキャスターが解説している。

 テレビの速報性はどこへいったのか?テレビに新聞紙を映して解説するという莫迦なことを誰が考えたのだろうか?放送局はまだ新聞社に追いつけないのか?

 中学校から一緒に帰った友人は、けっきょく新聞社にも放送局にも行かなかった。そして先ごろめでたく、マスコミとは無関係な会社の定年を迎えた。