1964年10月、わが国が東京オリンピックで浮かれていたころ、中国は核実験に成功した。それに対抗して、当時の佐藤栄作首相直轄の内閣調査室は(わが国が直接核武装するのでなく)原子炉とロケットを開発して「潜在的核保有国」としてにらみを利かせよと進言した。
これ以前からの経緯を見ないと、軽々に原発反対、ロケット大賛成とは言えないのだ。「トイレがないから原発廃止」(小泉元首相)とか「イプシロンが早く商業ベースに乗るように頑張れ」といった意見は、思慮の浅いものと言わなくてはならない。
マスコミ嫌いの私が今年2月に珍しく中日新聞を褒めた。私より若い世代の記者たちが過去を掘り起し、原子力やロケット開発の内幕を綿密に取材していたからである。とうとうその記事が単行本になった。これを読まずして念仏のように原発反対を唱えていても始まらない。
この本は必ず何らかの賞を受賞するだろう。どこの組織がどういう賞を授与するか楽しみだ。この本に賞を与える組織はたぶん本物である。
(アマゾンより。)
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