院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ある俳句の解釈

2013-11-21 00:09:55 | 俳句

(オリンパス・フォトパス・ダウンロードフリーより。)

 中学の俳句の授業で下記の句がテーマとなった。

    むめ(梅)一輪一りんほどのあたたかさ  服部嵐雪

 服部嵐雪は芭蕉の弟子である。この俳句の意味は2通りに解釈できるという。結論は、いろいろに解釈できるが、どのように解釈してもよいというようなことだったと記憶する。

 解釈(1)梅が一輪一輪開いていくごとに、だんだん暖かくなってくる。

 解釈(2)梅が一輪咲いた。暖かさも一輪程度のわずかなものである。

 その時の教師は小説を書いていて、それが芥川候補になったほどの腕前である。でも、俳句にはど素人だったと思われる。なぜなら、この俳句の解釈は(2)しかありえないからである。

 俳句では「ほどの」は「程度の」の意味である。俳句としても(2)の解釈の方が心を打つ。自分で俳句を始めてみて40歳”ほどに”なってやっと分かった次第。