院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「いつか来た道」とは何か?(1)(国防婦人会)

2014-07-15 05:30:25 | 歴史
(新潮社刊。)

 上の本は30年近く前に出版されたものです。「いつか来た道」という言い方は当時からありました。そして、戦前は暗黒時代だったと言われていました。ところが上の本には、戦前だって暗くはなかった、娘たちは箸が転げたといっては笑っていた、とあります。著者はとうぜん戦前に大人だった人です。

 いま80代で、思春期に戦争を経験した人たちが「誤った戦争」と言っていることに、きのう私は疑問を呈しました。彼らは戦後の空気に迎合しているのです。戦後生まれの私たちは、戦争経験者が言うことを信じてしまいがちです。しかしながら、時代の空気に迎合する人たちがいつの時代にでもいることを、私たちは知っておくべきでしょう。

 戦時中、「国防婦人会」という団体があって、「ぜいたくは敵だ」という標語のもと(ぜいたくとされた)長い袖の着物で街を行く女性をつかまえて、はさみで袖を切って辱しめたのだそうです。その女性団体は当時の時代の空気に迎合していたのだと、私は思います。