(怒りネットより引用。)
精神科病院の長期入院者が退院していく先が確保できないので、病院を住居にしてしまおうという構想が厚労省にあります。上のポスターはそれに反対する集会への誘いです。病院を住居にしてしまうと、そこから先の改革がストップするのではないかと私も危惧しますが、今日はその話題ではありません。
ポスターに「障害のある人も、地域をつくるひとり・・」とあります。若年のころ、私は「地域」という言葉の意味が分かりませんでした。そのころ私は名古屋市衛生局に職を得ましたが、保健婦さんも行政マンもいつも「地域」、「地域」と言っているのです。
私は保健婦さんに「地域って、どこからどこまでのことですか?」とマジで訊ねました。さらに「地域とは学区や校区のことですか?」とも。(保健婦さんは学区校区単位で活動していました。)保健婦さんにはあまりに意外な質問だったらしく、きちんと答えられませんでした。
そのころ、故山本夏彦翁が「社会と言うな世間と言え。地域と言うなご町内と言え」と書いている記事に巡り合い「あ、そうか」と腑に落ちたのでした。さらに翁は「分からない言葉に分からない言葉を重ねるから、地域社会などというまったく訳の分からない言葉ができるのだ」と書いていました。私はこのころから夏彦ファンになったのでした。