院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

表現としての「確率」(2)(選挙予想)

2014-07-27 15:58:16 | 科学

(AKB48 選抜総選挙 2013 。TOKYO POP LINE より引用。)

 大きな壺に赤玉や白玉や青玉がある比率で何万個も入っていたとします。この母集団を全部調べれば、何個ずつ入っているか分かりますが、一部を調べただけでも推計できます。これを「標本調査」と言います。

 標本数は多いほど正確な比率が分かります。壺からランダムに10個取り出して調べるより、100個調べたほうが実際の比率に近づきます。

 全部調べるのは、現在の選挙制度と同じです。全員が選挙権をもって投票(あるいは棄権)するからです。それに対して、新聞社などが行うのは標本調査で、ある有権者群が各候補をどれだけ支持しているかを見て予想を立てます。

 アメリカのある議会選挙で、世論調査会社が何万という標本から当選者を予測しました。一方、別の小さな調査会社は300名ほどの標本で調べました。そうしたら、選挙結果を的中させたのは小さな会社の方でした。

 冒頭に標本数は多いほどよいと書きましたが、それは標本が十分に撹拌されていることが前提です。アメリカの例では、大きな世論調査会社の標本は、撹拌が不十分だったと言えます。

 よく撹拌されていれば、300個ほどの標本でかなりのことが推計できるので、日本のテレビ視聴率調査会社は300軒ほどの調査対象しかもっていないそうです。撹拌の方法は企業秘密なのでしょうけどね。

※今日、気にとまった短歌

  偶然に捕獲されたるマンボウは偶然に来し吾を見てゐる  (静岡・吉田)半田豊