(北海道大学病院のHPより引用。)
遺伝病の遺伝子をもっていると、子孫に遺伝病が出る可能性があります。そうした人に遺伝学的な立場から助言を与えることを「遺伝カウンセリング」といいます。
遺伝学の専門家は、ある遺伝病が子どもやその兄弟や孫に遺伝する確率を正確に計算することができます。でも、なんの精神的なサポートもないまま、遺伝病の発生確率を告知するだけではいけません。
遺伝の確率だけではなく、それを聞いた依頼者がどのように振る舞えばよいのか、あるいは心づもりをしたらよいのか、依頼者に寄り添って考えるのが「遺伝カウンセリング」です。
もし、科学的に計算するだけだったら、たんに「遺伝相談」でもよいし「遺伝教育」と呼んでもよいでしょう。でも、求められていることはそこにとどまらす、依頼者の心の動きにまで目を凝らさなくてはなりません。だからわざと「カウンセリング」という用語が使用されるのだと、私は思います。