院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

表現としての「確率」(4)(統計のウソ-2-)

2014-07-29 00:01:35 | 科学

(路上禁煙パトロール。足立区のHPより引用。)

 禁煙運動がさかんです。喫煙は多くの健康被害と結び付けられて語られます。

 何万人に1人という原因不明の難病があったとします。これをN病と呼んでおきます。非喫煙者3万人を調べて、N病の人が1人発見されました。一方、喫煙者3万人を調べたら、N病者が2人見つかりました。この結果から、以下のような結論を下しているメディアがありました。

 すなわち「喫煙者のほうが非喫煙者より、N病に2倍もかかりやすい」。いくら喫煙が憎くても、データからはこのような主張はできません。にもかかわらず、このような言説を弄するメディアが意外に多いことに用心しなくてはなりません。

(ここで言うメディアには、なんと学術論文も含まれます。)