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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

イエロー・サブマリン

2008年10月24日 | CD・DVD・カセット・レコード
 朝からアニメ映画、イエロー・サブマリンのDVDを見た。中学生以来なので、30年ぶりである。当時は音楽にしか興味がなかったので、この映像やあらすじの細部まで記憶がなかった。この映画、とにかくサイケデリックなカラーアニメが強烈である。10分も見ると、頭の中はフラワームーブメントとサイケデリックカラーに侵され、とにかく何をみても目がチカチカし始める。映画を通して主張され続けているのは、LOVEとNO WARのメッセージである。東ヨーロッパのソ連侵攻、ベトナム戦争末期の世界情勢の中、反戦は当然のメッセージだっただろうし、またビートルズ自身も(特にジョン・レノン)そうした運動へと傾倒していたことを感じさせる。
 映画でもっとも印象的なのは、GLOVEとよばれる「巨大な手袋」の形をした化け物と戦うサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンドの場面で、GLOVEの「G」が抜け落ちて、LOVEになるところだろうか?「LOVE」こそが争いを解決する手段という、いかにもLOVE and PEACEを表象する場面である。そしてこのシーンで流れるのが、ビートルズの名曲《ALL NEED IS LOVE(愛こそはすべて)》である。
 もう一つ記憶に残るのは、YESという言葉についての場面。NOではなくYESと言うことで、世界は平和になれるというメッセージである。「戦争なんてやめて、仲良くなろうよ」という問いかけに、始めは「NO」と答えていた敵は、最後には「YES」と答え、皆が手を繋ぐことで平和が訪れ、映画は終わるのである。
 正直なところ、中学の時にはこんなことに全く気が付かなかった。それだけ大人になった証拠なのだろうが、こんな風に1960年代後半の政治的文脈から映画を見てしまうのもまた疑問符である。そう考えてみると中学生の頃の方が、純粋にアニメ映画として楽しんだのだと思う。