Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ネコっかわいがり

2011年10月02日 | 家・わたくしごと
 「下りたいのだけど、言い出せないのよ。だってこの人、私のこと、とても気持ちよさそうに抱いてくれてネコっかわいがりするのですもの。そりゃ、私はネコだし、ネコをかわいがるのを「ネコっかわいがり」といっても不思議じゃないけど、そういう意味じゃないのよね。ようするに溺愛って感じかしら?」
 そう呟くとミーはあきらめたような表情を浮かべて、静かに目を閉じた。「忍耐」の表情であり、「快感」を表現するものではないのだが、結果的に「人間」は、大きな誤解をするのである。しばらくして、目をあけるとカメラを構えるPに訴えるようにこう言ったのだった。
 「お願いだから、私を抱いてくれている方に話してくださる? 私もう下りたいの。やっぱり冷んやりする地面の方がいいのだわ。私と遊んでくれるコオロギだっているし、三毛がやってきたら追い帰さなくてはならないのですもの。だからお願い。今日だけはあなたに助けを求めるわ。今度、会うときはつれない表情なんてしないから。ちゃんとあなたを見てやさしくニャーって言ってあげるわ。だから私の正直な気持ち、今すぐに話してくれるわね?」