Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

大学祭の野外ステージに思う

2016年11月15日 | 大学

 自分が音大生だった頃、野外ステージのトリを務めていたのは「ジャズオーケストラ」だった。大学で有名なビックバンドジャズで、バリバリの管楽器専攻の学生たちが中心になって構成された、まさに「セミプロ」の演奏だった。「トリはガムランがいいな」なんて思っても、やはりジャスバンドの演奏を聴くと「脱帽」だった。それだけすごい演奏だったし、これを楽しみに大学祭にやってくる近隣の人々もたくさんいたと記憶している。
 沖縄の大学で教えていた時代、野外でのガムラン演奏は常に観客であふれた。私が沖縄を去る数年前からは、大学祭でのガムランを楽しみにやってくる市民でいっぱいだった。教職員や学生に見てもらえるだけでなく、近所のおじさん、おばさんたちに上演を見てもらえることが本当に幸せだった。
 今の浜松の大学では、まだまだガムランを楽しみにしてやってくる人は少ない。演奏団体としてはマイノリティーといっていい。野外ステージの舞台は、ほとんどがダンス、吹奏楽、ロックで、やっぱりバンドが大多数を占める。野外で大音量によって演奏できるチャンスなんてほとんどないわけだし、大学祭は絶好の機会なんだろう。写真の演奏もやっぱり定番のロック。暗くなったステージでは恰好いいお兄さん、お姉さんのバンドが演奏して学生たちがその前で盛り上がっている。30年以上たってもやっぱり大学祭は変わらない。野外ステージで盛り上がる音楽、それを囲む観客。これが大学のハレの空間、ハレの時間。