浜松の繁華街として知られる有楽街を北に抜けると、わが住まいのマンションが建っている。バブルの時代に建てられたすっかりくたびれたマンションだが、それでもかつては億ションだったとか、なかったとか。少なくても今はそんな面影もないんだけど。数年前に2階部分までがリニューアルされ、ライブハウスとイベントホール、地下にはコミック&ネットカフェが作られ、なんだか賑わいが生まれるかと思ったが、そんなことはなくいつも寂しい。それもまた浜松らしくてよい。
繁華街のそばに住みはじめた頃は、夜に何度もやってくる急性アルコール中毒を運ぶ救急車の音が珍しかったが、今は「あっ、またか」とベランダに出ることもなくなった。どんなことでの日常化するのは恐ろしい。金曜日の今晩も繁華街からにぎやかな声がかすかに聞こえてくる。今晩は何台やってくるんだろう。そろそろクリスマス、忘年会と、救急車も忙しくなる師走がやってくるんだ。