Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

正倉院展

2016年11月19日 | 

 7年前に奈良に出かけた目的は正倉院展だった。そのときのブログもちゃんと残っている。10年近く継続しているからこそ、ブログは過去の自分の行動を簡単に検索できるツールになっている。前回の正倉院展では1時間近く並んだ記憶があるのだが、今回は最終日の月曜日ということもあって、あっけなく入館できた。実は正倉院展の期間だけは、普段休館する月曜日も開館しているのである。とはいえ、展示室はたくさんの見学者であふれていた。
 今回の目的は、今はも使われなくなった「ウ」という楽器を見ることが目的である。大型の笙で、長い吹口がついていたという。1985年に展示されたのが最後で、30年ぶりに人の目に触れる楽器だ。もし、今後30年もの間、展示されなければ次に見れるかどうかわからない。
 展示品を見るだけで音がなるわけではない。しかし奈良時代から1300年もの間、その姿のまま保存されている楽器の現物を見るというのは、やはり感動的な出会いだ。実際の楽器を前に、当時のさまざまな光景や音を想像するのは本当に楽しい。


2009年10月から7年の月日が経つ

2016年11月18日 | 家・わたくしごと

 2009年10月31日のブログのタイトル「まさに、この風景」から、7年がたった2016年11月に、ぼくは再び同じ場所に立って写真を撮影している。7年の歳月なんて本当に「光陰矢のごとし」である。いつのまにか、2009年の写真に見えるクレーンはどこかになくなっている。当たり前だ。7年前だもの。
 猿沢の池と興福寺、絵になる光景だ。奈良駅からも近いし、奈良にきた観光客の大半はこの地にたってここから写真を撮影する。いったいこの場でどのくらいシャッターが押されたのか?想像すらできない数なんだろう。
 たくさんの観光客が同じ場所にいて、同じ方向にレンズを向けて写真をとる。自撮りの人もいれば、誰かに頼んで自身を写真の中に収める人もいる。以前にくらべると聞こえる声に中国語が混じるようになっただろうか?。きっとこの場所は観光ガイドにも掲載されているんだろう。片手に簡体字のガイドが見える。観光ガイドの写真を確認することは、観光の基本である。結局、新しい観光地にいけば誰だってそうしているものだ。
 


蘭の花咲く

2016年11月17日 | 家・わたくしごと

 もうすっかり冬支度というこの季節、わが家のベランダの「熱帯鉢植え館」には、ハイビスカスのほか、最近は蘭の花も咲いています。いいですね、気分は完全に夏です。そろそろ蘭の鉢もハイビスカスの鉢も家の中に入れてあげないと凍えてしまうかもしれません。
 まだ蘭の花の鉢植えが日本の中では貴重だった30年以上前、私の母方の祖父は蘭の花を一生懸命育てていました。家の中には小さな温室があったことを覚えています。ちなみにその場所には現在、ワヤンのスクリーンが張られています。祖父は戦前に台湾の大学で勉強して、長いこと台湾で働いていたこともあって、蘭の花にある種の懐かしさやこだわりをもっていたのかもしれません。聞いたことはありませんでしたが、きっと亜熱帯に対する望郷のようなものがあったのでしょう。
 私も蘭の花が大好きです。なぜなのか、と考えてみました。まとめると、1)祖父の面影 2)バリへの望郷 3)沖縄への想い そんなとこでしょうかね。そんなことを考えながら、しばらくベランダで咲いている蘭の花を楽しみます。


奈良名物

2016年11月16日 | 

 近鉄奈良駅を降りて東大寺方面に向かうと、鹿、鹿、鹿なのです。たまに馬がいたりすると面白いのですが、さすがにおりません。鹿せんべいを買ったものなら、一見おとなしそうに見える鹿が、狂暴なハイエナに「へんしーん」して人間に襲い掛かるわけでして。一歩間違えれば、子供の手なんて飲み込まれちゃう(かもしれません)。
 そんな奈良に先週出かけたのですが、やっぱり今回も鹿さんかがわんさとおりました。さらにアジアからの旅行者もたくさんおりました。中国や台湾、韓国からの観光客は鹿の恐ろしさを知らないらしく、撫でようとしたり、追いかけたりしておりましたが、鹿の方も言葉が通じないとわかっているらしく、あきらめて、かなりサービスしていたような気がします。やっぱり奈良在住なので日本語はわかるらしいです。でも国際観光都市なんだからアジア言語もしっかり勉強して外国人も日本人も同じように対応してほしいです。鹿さん、お願いします。
 やっぱり鹿の写真も撮らないと奈良に来た気がしないので、いちばんやる気のなさそうな鹿を探しました。いたいた!車が走る道端にくつろぐ鹿さん。公園の鹿と違ってぜんぜん「絵」にならないので、誰も振り向きもしません。しかもバックは自動車だし。いえいえ、私はそんなあなたが大好きですよ。だからこっちの気持ちも汲んでくれて、カメラ向けたらちょっと笑って欲しいんですけどね。でも、つれないところが、またいいな。


大学祭の野外ステージに思う

2016年11月15日 | 大学

 自分が音大生だった頃、野外ステージのトリを務めていたのは「ジャズオーケストラ」だった。大学で有名なビックバンドジャズで、バリバリの管楽器専攻の学生たちが中心になって構成された、まさに「セミプロ」の演奏だった。「トリはガムランがいいな」なんて思っても、やはりジャスバンドの演奏を聴くと「脱帽」だった。それだけすごい演奏だったし、これを楽しみに大学祭にやってくる近隣の人々もたくさんいたと記憶している。
 沖縄の大学で教えていた時代、野外でのガムラン演奏は常に観客であふれた。私が沖縄を去る数年前からは、大学祭でのガムランを楽しみにやってくる市民でいっぱいだった。教職員や学生に見てもらえるだけでなく、近所のおじさん、おばさんたちに上演を見てもらえることが本当に幸せだった。
 今の浜松の大学では、まだまだガムランを楽しみにしてやってくる人は少ない。演奏団体としてはマイノリティーといっていい。野外ステージの舞台は、ほとんどがダンス、吹奏楽、ロックで、やっぱりバンドが大多数を占める。野外で大音量によって演奏できるチャンスなんてほとんどないわけだし、大学祭は絶好の機会なんだろう。写真の演奏もやっぱり定番のロック。暗くなったステージでは恰好いいお兄さん、お姉さんのバンドが演奏して学生たちがその前で盛り上がっている。30年以上たってもやっぱり大学祭は変わらない。野外ステージで盛り上がる音楽、それを囲む観客。これが大学のハレの空間、ハレの時間。
 


春夏秋冬

2016年11月14日 | 家・わたくしごと

 大学祭の学生が主催した「画廊」にて、イラストを4枚買いました。春夏秋冬とそれぞれ題された女性のかわいいイラストです。その季節ごとの衣装を着て、特徴的な色のストライプの衣装が描かれています。ということで「画廊」ではじめて絵を購入したわけです。
 このイラストを描いた作家さんは、実は大学4年のガムランニストであり、ゴスペルのシンガーです。とにかく多才な学生です。毎週練習で会っているのですが、こんなイラストを書く学生さんだとは思いませんでした。
 研究室に末永く飾らせていただきたいと思います。もう3年のゼミ生に聞かれましたよ。「あのイラスト、どうしたんですか?」って。いろいろな人に聞かれればいいな。ちなみに僕は「秋」のイラストが一番好きです。今が秋だからかしら?


遠州焼きを知っていますか?

2016年11月13日 | 浜松・静岡

 大学祭では、私が監修者である室内楽演奏会が、「遠州焼き」なる食べ物を販売しておりました。この遠州焼きという食べ物をみなさんはご存知でしょうか?少なくても私は浜松に引っ越す前までは全く知りませんでした。たぶん遠州地方に縁のない方は、遠州焼きという言葉すら聞いたことがないと思います。しかし浜松の方なら知らいない者はいないというほど、愛すべきご当地(地域密着型)のB級グルメなのです。
 遠州焼きは、お好み焼きのキョウダイです。たとえば、ご当地お好み焼きとして全国区なのは「広島焼き」でしょう。詳細な定義は知りませんが、広島焼きには必ず焼きそばが具として存在していなければなりません。つまり焼きそばが使用されていなければ広島焼きではないということです。一方遠州焼きですが、お好み焼きが遠州焼きであるためには「たくあん」が小さく切ったものが具の中に入っていなければなりません。つまり、「たくあん」が嫌いだから「たくあん抜き」のお好み焼きを作ったとすれば、もうそれは遠州焼きではないということです。
 ちなみに遠州地方では「三方原のたくあん」というのは地域ブランドとして差別化されています。三方原という場所では美味しい大根がたくさん生産され、それが「たくあん」になり売られています。ちゃんとスーパーにいくと「三方原のたくあん」が販売されています。つまり、遠州焼きには、この三方原のたくあんが小さく切って入っていれば、まさに真正なお好み焼きということになるわけです。(ちなみに浜松のお好み焼き屋さんには、まず間違いなく遠州焼きがあるはずです。ただし、「たくあん」が三方原産であるかどうかは知りません。)


横に読む?縦に読む?

2016年11月12日 | 大学

 大学祭で学生たちが開いていたWARUNG BALI。ここでバリのコーヒーを販売していたことは昨日のブログに書いた通りだが、二日目、ある学生がコップの暑さを緩和するために、コンサートの余ったチラシをきれいにたたんで紙コップの周りを包む、という方法を考え出した。こうした工夫はとても重要だ。ぼくも、ちゃんと100円を支払ってコーヒーを飲んだのが、確かに飲みやすい。机の上にそのコップを置いたとき、ある文字列に目がいったのだ。あれっ、この文字の羅列はなんだ?
 この文字の「カラクリ」がわからない読者は、このカタカタを横に読むだろうか?それとも縦によむだろうか?ちなみにまず横に読んでみると「ブラマクラスティ」となる。なんとなく洒落たティー(茶)の名称にようにも思える。でもこれはティーでなくコーヒーである。次に縦に読んでみると「マスララィブクテ」となる。意味不明だが、どこか東南アジアの言語の単語のような響きだ。どちらにしても、このバリコーヒーのカップの包み紙に違和感がないのである。
 これはまさに偶然の結果。大学祭で上演したパニャンブラマ、トペンクラス、マルガパティの三演目の最後の部分つまり、ブラマ、クラス、ティが偶然にも見えてしまっただけのこと。こんなことをブログに書くのもどうかと思うが、やっぱり面白いことは記録しておかないと、明日にも記憶は薄れてしまうもの…。


WARUNG BALI

2016年11月11日 | 大学

 一昨年からだったか、大学のガムランサークルのメンバーたちが、自分たちでバリに行ってコーヒーや小物を買ってきて、大学祭で販売するようになった。もちろん強制的に砂糖がたっぷり入ったバリコーヒーを一杯100円でふるまうのである。大学祭の出店というのは基本的に場所代、電気代、水道代、人件費がタダであるわけで、「利益が上がる」のが通常である。
 おもしろいのはこのチラシと掲示板。まず木製の掲示板。これは何年か前に現4年生の女子学生が製作した作品。普段は楽器とともに倉庫に眠っているが、こうした場面(もちろんこれ以外でも用いられる)には大活躍である。さらに、コピーしたチラシに絵具で色を塗る、という超アナログな色彩方法。21世紀も捨てたもんじゃない。ぼくが学生時代も同じことをしていたわけだから。あれから30年たっても大学生の「根っこ」の部分はまだ変わっていないのかな。
 さて、WARUNG BALI、利益は上がったんだろうか…。この場所、結局、ガムランのメンバーの溜まり場だったかも。おかげで僕も落ち着ける場所があってうれしかったな。来年もよろしく。


青空ガムラン

2016年11月10日 | 大学

 大学祭の青空のもとガムランを演奏したのは何年目だろう。1982年に大学に入学して、たぶん1984年くらいから、大学祭の野外ステージで演奏を開始。毎年は青空でないにしても、それから数えれば33回目ということになるわけだ。驚きである。そして今年もこうして演奏させてもらえたことに感謝。
 それにしても今年は暖かくて晴天に恵まれた。夕方になれば気温が下がるのだが、たまたま午後3時から私が大学の保護者会(このようなイベントが現在開催されている)に参加することから、学生たちが私が出演できるように上演時間を午後1時半からに調整してくれた。ありがたいの一言。ここでも感謝。
 今回の舞台、私と古くからガムランを演奏してきたM先生の教え子たちが、K外語大学からゲストとして出演。二人の方はなんと浜松駅に9時20分過ぎに到着だから、朝、早く東京を出て出演してくれた。ありがとう。ここでも感謝。
 一人ではできないこと。たくさんの人々が助けがあってできること、それがガムランの演奏、舞台の上演。これからも大勢の人々に助けられるだろう。だから僕も、体力の続く限り、少しでも他の人々やメンバーの役に立ちたいと思う。