社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

『療育者の困難感に関する研究 ―「子どもの療育をする上で困難に感じていること」への自由記述回答からの分析 ― 』横畑泰希・板川知央(2019)

2023-01-23 11:33:09 | 社会福祉学

『未来の保育と教育-東京未来大学保育・教職センター紀要』第6号

 

児童発達支援に従事する療育者が抱える困難について、自由記述方式の調査で明らかにしている。

人材不足が困難さを生んでいるという単調な展開ではなく、じっくりと現場の声に耳を傾け、問題点と課題を分かりやすく提示している。

 

引用

○(回答内容より抜粋)

 ・日頃から、発達障がいとはなにかについて考えていますが、自分の中で答えが出ません。

 ・同じ事業所の人間でも、療育を専門に長期にわたり行っているものがいないため、相談しても不安が常に付きまとう。

 ・時間的にも余裕がない為、勉強する時間も限られている。療育がマンネリ化していても、余裕のなさから、そこから抜け出しにくい。

 ・障害特性による心ない言葉の言い合いからの利用者同士のトラブル(に対する対応が難しい*管理者追記)

 

○調査結果より、困難感は3層構造として考えられる。(そういった中で)一つのタームが療育者の困難感の本態を表すものとして浮かび上がっ

 てくる。それは「混乱」である。

 第1層:表層 現実的問題としての困難感(子どもとの関わりに対して困っていること)

 第2層:中間層 中核的問題としての困難感(療育者を取り巻く環境の問題)

 第3層:深層 基底的問題としての困難感(自分問題)

 

 本論文で提示されている3層構造の困難感は、それだけの支援(サポート)を療育者側も必要としている、ということに繋がるのだと思う。

自身の感情や価値観といったデリケートな部分をある意味さらけ出し、技術として提供している部分もある。

それゆえに、受け入れられなかったり、つまづいた時には、そこへのサポート(スーパービジョンを含む)が繰り返し行われる必要があるのだ

と思う。しかしながら現状としては、スーパービジョンの機会は事業所や個人の努力(金銭面も含めて)にゆだねられており、

そこまでの教育の確保はなされていない。そこを無視して人材の育成や確保はできないのに、どうして手が行き届かないのだと、

歯がゆさを感じる。福祉の現場はどの領域に対しても、あと2歩、3歩以上の公的な後ろ盾が欲しいと感じた。

 

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「ふれあいの先に見えたもの~子どもが高齢者の心を動かした!~」宮脇真美、谷尾美貴恵、山名紀子『鳥取県社協HP』より

2023-01-15 09:45:58 | 社会福祉学

幼老複合施設における、子どもと高齢者のふれあい交流の実践報告。

具体的な交流内容とその効果について分かりやすくまとめてあり、現場での取り組みの参考になる。

 

引用

・アンケート調査より。保育士と介護士はともに、交流自体は肯定的にとらえているが、目指す「交流の形」がうまく共有できていないことが分かった。⇒「自然なふれあいを目指す」ことを確認

・具体的な取り組み⇒おやつの共食、おやつ後のお楽しみ(ジェンガ・トランプ・将棋など)/お昼寝トントン(高齢者による未満児の寝かしつけ)/郵便ごっこ遊び(感染症流行時)

 

保育園児が近隣の高齢者施設に訪問し、歌や劇を披露する。こういった取り組みは広く行われているが、コロナ禍で中断している地域も多いであろう。感染症対策、生活リズムの違いなど、高齢者と子どもとの交流には気を遣うことが多く、望ましいことは理解していても、実践に踏み切ることは難しいのが現状である。それでもなお、異年齢交流はやはり、楽しいし、メリットが多い!ということを教えてくれる。そんなとても暖かい実践報告だと感じた。

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「アクティブシニア介護助手雇用の効果と課題」佐伯久美子、人見優子、山口由美(2022)

2023-01-09 13:22:44 | 社会福祉学

副題:A県介護老人福祉施設の介護長を対象としたインタビュー調査を通して 『介護福祉士』(2022.3)No.27

アクティブシニア介護助手雇用の効果と課題について、インタビュー調査を実施し、分析。分析方法としては、テキストマイニング分析を使用している。この分析結果を踏まえ、今後の方向性を明らかにしている。

*管理者注釈:テキストマイニング分析とは?(日経リサーチより引用)

 テキストマイニングとは、文章を定量的に扱うための分析手法であり、アンケートの自由記述や、コールセンターへの問い合わせ内容、TwitterなどSNSでのクチコミ分析といった分野で活用されている。

 

引用

・アクティブシニア=定年後の元気な高齢者

・アクティブ介護助手の雇用は、多様な人材確保・育成の一つとして、また介護予防や働く機会の提供といった目的で進められている。

・アクティブシニア介護助手を雇用することによる効果と課題(管理者が一部中略、まとめ)

 ①アクティブシニア介護助手は、身体的な感覚が利用者に近く老いへ共感し、若い世代の職員にその感覚を伝えたこと。逆に年齢が利用者に近いが故に、専門的態度の課題があげられた。②多世代の職員による家族に近い関係が発生し、施設が家庭的な環境へと変化した。

・分業の効果を得るためには、介護職員とアクティブシニア介護助手の両者が介護の方向性や目的を一致できるような研修が大切になる。

 

介護は嫁の役割とされてきた時代を受けてか、介護職は依然として女性が多い印象を受ける。そして求人広告を見ても、介護助手は「家事の延長」というニュアンスの文句が多いように思う。敷居を下げるための広告であり、悪意はないことは承知している。しかし実際は、人員不足でバタバタと動き回る介護職員の様子をうかがいながら、利用者のコールや訴えにどの程度対応してもよいものか…そんなジレンマを抱えながら就労している人も少なくないと思う。

元気な高齢者が増えている。この現実をうまく活かし、人員不足に充当していこうとする方向性は間違ってはいない。しかしどの職種であってもそうであるが、職員同士が円滑に分業をしていくためには、その潤滑油となるべく、コーディネーター役が必要である。それが介護の長なのか、事務の長なのか、用務営繕の長なのか。それによっても、長期的に働くことを希望するアクティブシニア介護助手を増やすことにもつながると考えている。

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「障害者支援施設における施設内虐待の予防に向けた一考察」藤江慎二、松永千惠子(2021)

2022-12-31 13:21:43 | 社会福祉学

副題:傷害事件・暴行事件についての裁判調書の事例分析から 

『社会福祉学』第62巻第2号

 

施設内虐待事件の裁判調書をもとに、事件を詳細に分析し、虐待予防について考察を深めている。

日ごろはニュースなどで概要を知ることにとどまっているが、裁判調書は場面を詳細に記録しているため、

その残酷さと身勝手さに、目を覆いたくなった。

 

引用

・(分析結果から)「職員が職員として働き続けられる」ように、「業務をこなすという作業人ではなく、対人援助の専門職として働き続けられる」ように、施設・法人、そして行政機関が職員へのフォロー体制を整えることが必要である。

・(事件の要因・背景を分析した結果として)①施設の人材育成の問題が虐待行為と関連していること、②職員間コミュニケーションの不足が虐待行為の慢性化に影響していたこと、③施設・法人の虐待問題を隠蔽しようとする考え方は職員間に広がり、職員の退職にも影響を及ぼしていたことが明らかになった。

 

 残念なことではあるが、勤務先の特養でも不適切ケアが後を絶たない。その都度、市に報告し、第三者機関の弁護士さんに相談をし、「意識を高めてもらう」という目的で研修をし…。それでも半年過ぎると、同じことが繰り返される。市は事故報告を義務付けるだけではなく、虐待予防のための講師を派遣したり、人員不足の部分について真剣に向き合ってくれないかと、憤りを感じることもある。

 最初から、自分が虐待をする側になると思っている人はいない。本論文でも指摘していたが、「人員不足→未経験であっても充足のためであれば採用→経験者が少ないために教育が行き届かない→燃え尽きて(疲弊して)仕事を辞める→人員不足…」という負のループから抜け出すためには、一組織の情熱だけでは不可能である。今後、介護職の増員が不可避である現実をみると、自治体が本腰を入れないと、どうにもならない域に達してしまうだろうと恐怖すら感じる。

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「介護職の魅力を発信する効果的な活動についての調査」戸館康秀(2021)『介護福祉士 2021.3 No.26』

2022-12-23 11:45:17 | 社会福祉学

副題:「介護の仕事と社会変化の関係性からの一考察」

 

慢性的な人員不足である介護職について、将来的に就きたいと感じてもらえるような「仕事としての魅力」をいかに伝えるか。

その実践と、実践後に行った調査内容を報告している。

 

引用

・介護職の魅力を発信するためには、社会の変化と学校教育を把握したうえでの「体験活動」が有効的で、多様な介護業務を理解してもらうには、対人援助者としての基本となるコミュニケーションを通じて「感謝の気持ち」を体験してもらうことが効果的であることが明確となった。

 

 乱暴な言い方をしてしまえば、「感謝してもらえるから」「こちらも笑顔になれるから」という仕事としての魅力は、どの職業にもある。そのためそれを「介護職の魅力」のひとつと認識してしまうと、職業としての根幹をなしているもっと大切な部分を伝えきれないと、私は考えている。

「認知症ケア」や「看取りのケア」は、看護職にもあるが、介護職が生活の場としての介護施設や利用者の自宅で提供できる、高い専門性の一つであり、もっともっと大きな声で主張してもよいものだと考える。

 以前は家族介護の延長として、素人に毛が生えた職業とみられていたこともあるが、税金を投入し、薄給ではあるもののそこから給与が発生しているのだから、れっきとした「専門職」なのである。

「資格や経験がなくても、正社員として雇用してもらえて、賞与まで出る。こんなにチャンスがつかみやすい職業はない」と、特養に勤務していている友人が言っていた。きっかけはなんであれ、介護の世界に飛び込んだ人たちが、その沼にはまり、抜け出せないくらいにその職業に惚れ込んでもらえるようにするための策も、同時に取り組んでいくべきことだと考える。

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「保育所が備えるソーシャルワークの連携機能-効果的な連携の構築に向けてー」飯塚美穂子(2021)

2022-12-09 18:55:35 | 社会福祉学

『社会福祉学評論』第22号 2021

 

 保育所が備えるソーシャルワークの連携機能の活用の実態と課題について、インタビュー調査を通じて明らかにし、考察を深めている。

参考文献、引用文献ともに、古いものを扱っていることは気になるが、保育の質を問われている昨今、保育所を多面的に理解することに大変役に立つ。

 

引用

・乳幼児とその家族に日々向き合う保育所においては、子どもを守り、家庭で生じる様々な課題の解決を図るためのソーシャルワーク実践がよりいっそう不可欠になってきている。

・(インタビュー調査回答より)「保育所だけで見守るつもりはないし、抱えきれる問題ではない。親子が卒園するまでに、卒園した後も見守ってくれる場所とかルートを作りたい」

・保護者との距離が近い存在であるからこそ生じる困難さもあるという『保育所の限界の認知』を踏まえた<適切な役割分担>が求められている。

 

 保育所に通う子供たちは、一日のうちの半分近くを園で過ごす。中には、起きてすぐに園に行き、寝る直前まで園で過ごす子供もいる。子供にとっての居場所である保育所で、痛ましい事故や事件が続いている。保育士は多忙であるが、薄給である。それが現実である。そして求められることも多く、学びきれないくらいに深い専門領域であると感じている。

 保育所の機能が適切に運営されるためには、保育所単体ではなく、関係機関や地域の支えも重要である。保育所・保育士を支えていくことは、地域が子供たちの健やかなる成長を支えることに直結する。

 そんなことを考えさせられる論文であった。

 

 

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「ソーシャルワーカーのミカタ」芦沢茂喜・山岸倫子(2022)生活書院

2022-10-27 14:46:59 | 社会福祉学

副題:対話を通してともに「解」を探す旅の軌跡

「ソーシャルワーク」とは何か。「ソーシャルワーカー」とは何者か?について、今回は筆者らが指導する側に立ち、

問いている。

多くの文献を踏まえ、そしてたくさんの経験をもとに綴られているが、堅苦しい「専門書」にはとどまっていない。

専門家を目指す人たちが、「専門家ってなんだろう」と立ち止まったときに、とてもチカラになると感じた。

 

その事柄を抱えていて、困っているのは誰か?抱えている本人なのか。

それとも本人を解決の方向に導けずに、オロオロとしている専門家としての自分なのか?

そしてその解決の方向とは何か?

 

本書では、「専門職」と認識している(認識されたい)ことによって焦点がぼやけ、

誰のための支援なのか、誰が主軸なのかが二の次になってしまうループについて、触れられている。

社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、保育士…

多くの資格が存在し、支援者がゴマンといるような錯覚に陥られてる昨今ではあるが、

「支援」、「ソーシャルワーク」の根本は何なのか?

本書はそれをふんわりと、そしてガツンと投げかけている。そんな印象を受けた。

 

 

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「身寄りのない独居高齢者の身元保証問題に対する医療ソーシャルワーカーの望ましい支援とは」富田幸典、谷川和昭(2022)

2022-10-18 14:01:16 | 社会福祉学

副題:兵庫県・岡山県の実態調査より

『関西福祉大学研究紀要 第25巻』

 

医療機関に従事するソーシャルワーカーに対し、質問紙調査を実施し、支援の在り方を整理、分析している。

目新しい知見は見受けられないが、現場で奮闘しているソーシャルワーカーが直面している課題を、丁寧に整理している。

今後、確実に増加していくであろう身寄りのない独居高齢者への対策を検討するうえで、参考になると感じた。

 

引用

身寄りのない独居高齢者の身元保証問題に対する医療ソーシャルワーカーの望ましい支援については、①成年後見制度、生活保護制度などの活用を図る、②地域の協力を得て、多職種多機関連携の要となる、③本人への説明と信頼関係の構築を図る

 

20年以上前の話になる。在宅療養支援診療所に勤務していたころ、90代の独居女性に対し、自宅での看取り支援をしたことがある。看取りといっても、唯一の家族は80代の妹さんで、同居ではなかった。「家」でこのまま死んでいきたいという本人の思いを、ただ叶えようとしただけである。住んでいたアパートは、築50年以上がたった木造アパートで、隣に大家さんの家があった。アパートには本人しか住んでいなかったため、本人が亡くなったらアパートを閉じる予定であった。生活保護を受けていたため、死後の手続きはケースワーカーさんが妹さんと一緒に行うことで合意が得られ、家で亡くなることは大家さんが了承してくれた。了承してくれるどころか、食事を運んでくれ、安否確認をしてくれ、強力なサポーターであった。そんなこんなで無事に?「家」で亡くなることができたが、これはなによりも、地域の力があったからだと痛感している。一人でも「独居で死にそうな人を、このまま家に置いておくなんて!」と反対したら、きっと実現はしなかったであろう。

これからの日本は、きっとこういう方が増えていく。どう支えていくのか、支援者にも本人にも、準備と覚悟が必要だと考える。

 

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「社会福祉法人の地域貢献活動に関する検討‐大都市の高齢者施設に焦点化して‐」大洞菜穂美(2019)

2022-10-06 10:58:12 | 社会福祉学

『十文字女子学園大学紀要』Vol.50

 社会福祉法人が行っている地域貢献活動について、その促進要因と阻害要因をインタビュー調査を通して明らかにしている。税制上の優遇を受けている社会福祉法人は、地域貢献を行うことを一つの責務とされている。その実態について、分かりやすく報告されている。

 

引用

・(調査結果より:調査対象の)すべての法人で地域貢献活動を行っていた。内容について大きく分けると、「地域交流を目的とした活動」「認知症カフェ、認知症サポーター養成講座講師」「地域からの要望や協力で行っている事業」「法人独自事業」となった。

・「法人独自事業」とは、ランチ交流会や体操教室、栄養教室、就労審など、いずれも職員が自分たちになにができるのか、またどんな地域課題があるか検討したうえで行われている。

・(活動への阻害要因)①社会福祉法人本部の地域貢献活動に対する意識格差がある、②理事に対する理念の具体化及び啓発の機会がない、③社会福祉法人のミッションについて認識が乏しい

 

新型コロナウイルスが流行し、福祉施設が地域とつながる機会が激減している。そして、家族とすら手を取り合えない福祉施設入所者も少なくない現状は、異常という言葉では表現できないくらいである。

社会福祉法人は地域に根差し、地域に貢献し、地域の人とともに生きていく…こういった類の理念を掲げている組織は、とても多い印象を受ける。私の勤務先も然、である。しかしながら、予算や人手ややる気や…いろいろなものが足かせになり、結局のところ、「新しくできた、あそこの建物はなんだ?」と思わせる、対象となってしまったのである。

法人本部は施設とは異なる行政区にあり、経営者集団は親族で構成されている。似通った環境で生活をしていた人たちが、おかしな共通の認識で、組織としての成長の幅を狭くしているのではないか?と思わされることが多々ある。組織の内側に皆が集中するのではなく、外の世界に目を向けてほしい。この論文を読み、痛切に感じている。

コメント (2)
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「ケアラー専門職の心のありよう‐仕事の介護と親の介護の両立について‐」岩井佑佳音、秋山恵美子(2022)

2022-09-08 08:22:30 | 社会福祉学

『介護福祉士』2022.3 No.27 

職業として介護に従事している人が、身内の介護も両立する必要になったとき、その心の在り方はどのようなものか。そして必要な支援は何か。

これらを明確にするために、質問紙調査を通してまとめている。

 

引用

・(調査結果より)「仕事の介護と親の介護は違う」「親には感情的になってしまう」

・ケアラー専門職が親の介護への責任感から解放されることの重要性、親の介護で追い詰められないようにするための精神的支援及び仕事と介護の両立支援研修の場の必要性が示唆された。

 

労働人口が減少する中、介護離職をいかに減らしていくのかが、現在のそしてこの先何十年も続く我が国の課題であろう。そのために入所施設を増やしていくことが政府主導で進められているが、そもそも介護従事者が少ないことが無視されていると、福祉現場で働く知人らと怒りやら飽きれるやらで、その政策を見ている。そのすっぽりと抜けている部分に焦点をあて、そして声を出していこうとしているのが本論文である。

調査結果には自由回答もあり、そのコメントは全く当然の主張であり、もっともっとフォーカスされるべきものであると強く思った。

保育士をしている友人が、自分の子育てと保育士という仕事のバランスにとても苦労しているが、介護職は終わりが見えにくい介護との両立であるため、もっと苦しいものかもしれない。多くの人の声が、きちんと届くことを切に願う。

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