社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「ケアのための空間」 三浦研(2008) 岩波書店

2009-01-22 15:58:32 | その他
『ケア その思想と実践 6 ケアを実践するしかけ』収録

物理的な「空間」にとどまらず、人と人が生活をすることは、「空間」に働きかけていることでもある…というソフトな面についても触れている。

大規模施設がもたらす、ケアの限界。小規模施設がもたらす、人間関係を構築する上での弊害。生活をする「器」によって、人は様々な影響を受け、そして「慣らされる」のだと考えさせられる。

引用人は空間からある種の感情をいだくだけでなく、逆に空間に働きかける存在だ


「目で取る情報」…自身が実践する上で、注意を払っていたことの一つである。
在宅医療は当然のことながら、患者さんの自宅でサービスが展開されている。
訪問に伺った際に、お話を聞きながら、壁に飾られた賞状や家族の写真、手描きの絵や手作りのパッチワークなど、患者さんがいる「空間」から、多くのことを知ることができた。まさに、その人が作り上げた「空間」である。
残念ながら、日本の福祉施設は、画一的なところが多い。本書でも紹介されていたが、スウェーデンの施設は、個室であること、そして家具などの持ち込みは当り前のことである。
「個別性を重んじる援助」の究極は、どんな場所であれ、その人の「空間」を作り続けられること…かもしれない。



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