ひきこもり支援を実践しているソーシャルワーカーのインタビュー記事。
伴走支援というスタイルを獲得したプロセス、ひきこもり支援の面白さ(失礼な言い方ですが・・・)を知ることができ、とても読みやすい。
引用⇒
・よく、ひきこもりの方は家でゲームばかりしていると思われていますが、多くの当事者は一日中、ただひたすら考え続けています。(中略)今の状況でいいのか、どうすればいいんだ、どうしようもない、ということをただ繰り返し考えています。
・彼らにとっては一回のつまづきが全てです。彼らは過去に止まっています。自分がつまづいた時に何があったのか、ということをずっと言い続けます。一方、ご家族は「私たちが死んだらどうするのか」といった未来の話をします。話が噛み合うはずがない。私がするのは、過去と未来の真ん中にある「今の時間をどうするのか」という話をひたすら続けていくことです。彼らがどこでつまづいているのかを確認した上で、時計の針を再び動かせるかどうかがポイントになってきます。
・よく「ひきこもりは甘えている」と言う方がいますが、彼らが甘えられるのは家族だけ、しかも母親だけにしか甘えられない場合が多いです。逆に言えば、母親以外の人間に甘えることができれば、事は動いてきます。そうなれば、後は早いです。
・彼らが「困った」と言えば、「困ったね。じゃ、どうする?」と言う。それだけです。最終的には、彼らがどうにかすることなので。
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おそらくこのスタイルに行き着くまでは、たやすい道のりではなかったのだろうとは思うのだが、「こんなにシンプルな方法で、支援が円滑にいくんだ」と目から鱗が出る。
公的な職場であるため、おそらくいろんな意見のなかでの業務だとは思う。しかし、当事者には「支援者」ではなく「芦澤さん」という存在と見られている、というくだりについては、ものすごくナチュラルで羨ましいと思った。