『日本エンドオブライフケア学会誌』Vol.7,No.1
死が間近に迫ったとき、もしくは意思表示ができない状態になったとき。そんな「もしも」の時に備えて、家族間で話し合いをしているのか?
もししているのであれば、何がきっかけとなって話し合いをしたのか等の要因を明確にすることを目的としている。
調査方法は、20代から80代以上の地域住民を対象とした質問紙調査である。
*本研究における「もしも」の時の定義、「例えば事故や病気などで死が近い時、あるいは自分の意思を誰かに伝えることができなくなった時」
引用
・(管理者 注「死を考える経験」←身近な人が病気になった、大きなけがをした等 を糸口に)その経験が話し合いの糸口となる可能性がある。
・家族と意見が異なる時、「話に触れない」ことが話し合い経験に負の関連を示した。
・話し合い経験に関連する要因⇒話し合いの必要性の認識、死を考える経験、代理意思決定者の選定、書面への記載、かかりつけ医の決定、
意見が異なる時でも話ができるよう関わること
「痛いのは嫌だから、必要以上の注射とか点滴はしなくていい」「口から食べられなくなったら、自然に任せて欲しい」
…一見あいまいに聞こえる意思表示かもしれないが、こういったささいな事がきっかけで、本腰を入れて話を詰めることにつながることもある。
「子どもたちのいいように」とか「あなたに任せる」といった意思表示が、周りの人を苦しめることも少なくないように思う。
元気なうちに、とは言っても実感がわかないと何を話していいのかすら分からない。
そのため、誕生日にとか、結婚記念日にとか、その人の大きな節目に、
支援者があえて「もしもの時のことを話してみませんか?」と切り出してもいいのでは?と思った。