社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「ひきこもる今と向き合う 精神保健福祉相談員の立場から」芦沢茂喜(2019)

2019-06-03 14:43:54 | 社会福祉学

『保健師ジャーナル』2019.6 Vol.75 No.6

保健所でひきこもり事例と向き合い、実践している精神保健福祉相談員さんの論文。

凄惨な事件が立て続けに起こり、さまざまな議論が飛び交っている今日このごろ。誰にとっての支援なのかをあらためて考えたい。

 

引用

・私たちは家族からの相談を受けた時、何気なく「様子を見ましょう。何かあれば教えてください」と話してしまうことがあります。ただ、こう話すには、今後に起こる「何か」を分かっており、それを家族に説明できる状態でなければならないと思います。分からず、説明できないのであれば、関わり続ける必要があります。

・「支援」という言葉は都合の良い言葉であり、行っていることが全て良いことのように捉えられ、正当化される怖い言葉だと感じます。「支援」といった場合、そこには根拠がなければいけません。また、「支援」とは困っている人に対して手を差し伸べることであり、家族が、私が、困った人をどうにかすることではありません。

 

「気にかけていいますよ~」という意味合いをこめて、「何かあったら連絡をください」と電話を切ったり、面接を終了することはよくある。それは誰のための締めの言葉だったのか?とあらためて考える。

面接時間が長時間に及び、そろそろおしまいにしたいときの決まり文句であることもある。相談窓口はいつでもオープンですよという気持ちで終了するときの言葉のときもある。

その場面場面によってこちらの気持ちは違うけれども、受ける人にとっては、その言葉だけなのである。

具体的に、相手にあった言葉を選んで伝えないと、きっと関係はつながらないとしみじみと思わされた。

 

 

 

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