トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

ヒトツバ

2016-12-16 | 樹木 草花


地面からビロンと葉が出ていた
単葉の葉を持つシダ植物でヒトツバ
シダ植物は日本では630種と豊富
花も実もなく胞子で増える隠花植物

硬くて長くて針金状の匍匐茎を伸ばし根をだしまばらに葉を出す
胞子は葉の裏側に付くが葉裏についていないこともある

株や葉が若い場合の他に 一つの株に栄養葉と胞子葉を付ける2形性タイプのものもある
「ツクシ誰の子スギナの子」というがツクシが胞子葉でスギナが栄養葉
ヒトツバはこの2形性の種類のシダだが 両葉の形がとても似ている
胞子葉の方が少し細長い
胞子嚢(胞子の入った袋)は葉裏全体にびっしりと付く

消炎 止血 利尿 解毒に効果があるという

ビワの花とメジロ

2016-12-15 | 野鳥
 

朝 雨戸を開けたらメジロがビワの花にとまっていた

ビワはバラ科ビワ属の常緑高木 10mほどにはなる
狭い庭なので枝落としが大変
原産地については色々見解があるが 奈良時代にはビワの記述がある
花は11月から翌年1月にかけて10㎝程の円錐花序に 良い香りのする小さな葉が多数咲く
花の内側下部 萼 花序には褐色の綿毛が密生していて茶色のセーターを着ているよう
6月頃にナシ状果の実が生りとても美味しく今から楽しみ

葉は打ち身 捻挫 皮膚病に効き 種子は杏仁水(ばくち水)の代用として咳止め 去痰に使われる優れもの

メジロ:留鳥又は漂鳥
目の周囲(アイリング)が白いのでこの名がある 英名もjapanese white-eye
花の蜜が好きなので「はなすい」「はなつゆ」などの方言名もある
つがいか小群れで生活するものが多い
主に樹上で昆虫類 クモ類 木の実 花蜜などを採食する
雌雄ほぼ同色 大きさは12㎝

留鳥性の強い個体は一年中つがいで一定の区域内で生活する
季節移動する個体は越冬中は小群れになり 区域を定めず動き回って生活する




タチツボスミレの狂い咲き

2016-12-14 | 樹木 草花


山路来てなにやらゆかしすみれ草(芭蕉)の句の通り 小石川植物園でひっそりとスミレが咲いていた

春を告げる身近なスミレの代表のタチツボスミレ
花の時期は東京あたりでは4~5月だろうか 今咲くのは何か調子が狂った狂い咲き

狂い咲きはサクラなどでよく聞くしその理由もよく聞く
多くは冬には枯れる草花も 狂い咲きするとは知らなんだ
最も昔は狂い咲きと思っていたオオイヌノフグリやホトケノザは 条件が良ければ一年中咲いている スミレもその仲間なのだろうか

ヒマラヤザクラ

2016-12-13 | 樹木 草花


桜を見ると何となくウキウキする
桜好きの人が多いからか あちこちに早咲きのものがが植えられ 10月入った頃から桜のシーズンは始まる
ジュウガツザクラ コブクザクラ フユザクラ そしてヒマラヤザクラ

ヒマラヤザクラはヒマラヤ周辺が原産の野生種
2000mの高山の森に生えている
高木で30mほどにもなる

東京では11月頃から咲き始める
花の蜜の多い木のようで鳥が結構集まっていた
実は卵形で始めは黄色だ熟すと赤くなる
二酸化炭素や窒素化合物の吸収が良いので温暖化対策ように注目されているそうだ

トビ

2016-12-12 | 野鳥


トビ(鳶・鵄)が水辺で餌を漁っていた
全体の淡色の軸斑が有り若鳥のようだ
遠く高く飛ぶという意味の「とおくひいる」が略され転化して「飛び」になった

九州以北では留鳥 南西諸島では稀な冬鳥
海岸や大きな湖沼近くに多い

日本産のタカ類では唯一凹尾を持つ
ピーヒョロロロと普段からよく鳴き声を聞くが繁殖期にはさらに良く鳴く
食べ物は雑食性で屍肉やカエル 昆虫類 人の捨てた残飯などを食べる
雌雄同色 大きさ60㎝

外国では意地汚い鳥として悪いイメージだが 日本では神武天皇の軍勢が金色のトビに助けられたという伝承から神の使い・聖鳥とみなされてきた
明治には金鵄勲章として復活し武勲の軍人に授けられた

ワレモコウの花

2016-12-11 | 樹木 草花


初冬とも言っていいこの季節にワレモコウがまだ咲いていた

バラ科の日当たりのよい山野の草地に生える多年草
茎は1ⅿほどにもなり 茎頂で分枝し先に2㎝程の長楕円形をした穂状花序を出す
花は暗紅紫色で密に付け 上から下に開花する
花弁は無く 4個の萼片が花弁のように見える
花の時期は8~10月

ワレモコウ(吾木香)の名はキク科のモッコウ(木香)から来たと言われる
モッコウは根に芳香があるがワレモコウにはなく由来はよく分からない

ウラギンシジミ

2016-12-10 | 虫類


今年の蝶はもう終わりと思っていたが葉の裏にウラギンシジミが隠れていた

翅裏が銀白色の蝶
平地から低山地の樹林地 木の多い公園や人家周辺に居る
春から夏はフジ類が食草のため渓流沿いの樹林や公園で発生 秋には主にクズを食草とするため林縁部や都市部の荒れ地などクズの繁茂する場所で見られる

成虫は常緑樹の葉裏で越冬する
食草はクズ フジ ハリエンジュなどマメ科植物

翅表(10月のもの)
メスは茶色の地に白い斑紋(写真) オスは茶色の地に橙赤色の斑紋がある

紅葉 黄葉 褐葉

2016-12-09 | 樹木 草花
 

紅葉もそろそろ終盤 この秋もあちこちで楽しませてもらった

紅葉は落葉に先立って葉が色づくこと
狭い意味では赤くなる紅葉 黄色くなる黄葉 また褐色になるのを褐葉呼ぶこともある

紅葉:秋が深まると落葉の準備で 葉柄と枝の間に離層を作る 作られた養分の移動が妨げられ葉に蓄積されアントシアンと言う赤色の色素に変化して赤く見える

黄葉:葉はクロロフィル(緑)とカロチノイド(黄)の色素を持っているが普段はクロロフィルが多く緑に見える 秋が深まるとクロロフィルは先に分解されてカロチノイドが残るため黄色く見える

褐葉:アントシアンの代わりに タンニン系のフロバフェンと言う物質が出来て褐色になる

大イチョウ

2016-12-08 | 樹木 草花


会津の新宮熊野神社の境内に大イチョウが見事だった
神社創設の時に植えられたと口伝されており 樹齢800年以上 高さ37m 幹周り約8ⅿ
全国でも最大級のイチョウという

イチョウ科の樹木で 中生代のジュラ紀に最も栄えていた
現生種ではイチョウだけが知られている
栄えていた頃は実のギンナンを食べる動物も沢山いて 種もあちこちに散布されたことだろう
が いま都会にある木は稀に狸に食べられる位で ほとんどが親木の下で実生で芽を出しそのまま枯れてしまう

花は雌雄別株で 4~5月に咲き 風に運ばれた花粉が雌花の胚珠内に入り 花粉室で発芽して精子ができる
この精子を見つけた雌木が小石川植物園にある

ニシオジロビタキ

2016-12-07 | 野鳥


今日は24節気の大雪 平地にも雪が降る季節 秋にはあちこち出没したクマも冬眠に入る

ニシオジロビタキが出た
旅鳥または冬鳥
日本にはオジロビタキとニシオジロビタキの2亜種がやってくる
外国では別種としている所も多いのでいずれ別種になるかもしれない

平地から山地の明るい林などに居る
木の枝に居たり地上に降りたりして 昆虫類 クモ類 木の実などを食べる
オスの越冬個体は非常に少なく 越冬したら稀な例になる
オスの喉は橙色で メスの橙色は小さい
大きさ12㎝

ヒメエグリバの幼虫

2016-12-06 | 虫類


もう12月だというのに アオツヅラフジのわずかに残った半枯れの葉に 綺麗なイモムシが頑張っていた

ヒメエグリバという蛾の若い幼虫だ
今は黒い体に斑が黄色だけだが 終齢幼虫になると黄色 橙赤色 白色の斑が列を作りとても綺麗なイモムシ

幼虫で越冬する
食草はアオツヅラフジ
大きさは3㎝程有った

ミサゴ

2016-12-05 | 野鳥


干潟に立った杭の上でミサゴが辺りを睥睨していた
水中に足から突っ込み魚を捕らえることから「水さぐる」が語源となった
日本版レッドリスト準絶滅危惧種

留鳥 寒冷地のものは冬には暖地に移動する
海岸 湖沼 河川などに居る
魚食性の鷹で水面上に停空飛行し 水中に足から飛び込んで魚類を捕る

雌雄ほぼ同色 頭部と体の下面が白く 多くの個体は胸上部に褐色の帯があるが無いものもいる
大きさオス54㎝ メス64㎝

トロロアオイの実

2016-12-04 | 樹木 草花


鉢植えのトロロアオイに実が生っていた

アオイ科の大きさ1~2mになる中国原産の植物
オクラに似た花を咲かせるので花オクラの別名がある
花は8~9月に淡黄色で中心が暗紫色の10㎝程に咲く
一日花で朝開き夕方にしぼむ

果実は蒴果で熟すと褐変して割れ種子をまき散らす
オクラに似ているが剛毛が多く硬いので食べられない

この草の特徴は根
根を乾燥せてすりつぶして採取される粘液は「ネリ」と呼ばれ 和紙作りや蒲鉾 ソバのつなぎなどに使われる
根は黄蜀葵根(おうしょっきこん)と言われ鎮咳薬
ネリに不要な花は食用となる
花弁をサラダ テンプラなどに・・フラボノイドを含み特有のぬめりが有って美味しいという

夏の季語でもある
縁日の灯に映えている黄蜀葵(水谷夢円人)

キバラヘリカメムシ

2016-12-03 | 虫類


暖かい日が続いたせいかキバラヘリカメムシがノコノコ地面を歩いていた

腹部周辺のはみだし部分が黄色と黒の縞模様
脚の途中までが白く 横から見ると腹が黄色い
背中が黒褐色で地味に見えるが良く見れば結構カラフルなカメムシ

食植性で茎や葉 果実に口を差し込み液を吸う
ニシキギ マユミ ツルウメモドキなどが好物で他の植物ではあまり見かけない

4~11月頃まで現れ成虫で越冬する
卵は円筒形で上端に丸い蓋になり 孵化の時はこの蓋を押し開けるようにして幼虫が出て来る
大きさは15㎜程

ツワブキの花

2016-12-02 | 樹木 草花


花の少なくなったこの時期にツワブキ(石蕗)が満開

キク科の海岸の岩の上などに生える多年草 庭や公園でもよく植えられている
葉に斑の入ったものなど園芸種も多い
葉に光沢があるフキの意味の艶蕗が訛ったものと言われる

葉の間から50㎝程の太い花茎を出し 黄色の頭花を散房状に付ける
他の花が終わった10月~12月にかけて咲き 初冬の季語にもなっている
頭花は5㎝程で周りに雌性の舌状花が一列に並び 中心部に両性の筒状花が多数集まっている
写真の筒状花はまだ開き初めで 全部は開いていない

葉柄はフキと同じようにキャラブキにして食べる
火であぶった葉を打撲 はれもの 切り傷に貼るとよい
根茎は乾燥させたものを煎じて飲むと健胃整腸 下痢などに効果がある優れもの

江の奥にふかき江澄めり石蕗の花(水原秋櫻子)