トリからキノコ 自然見て歩き

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オオスカシバ幼虫

2022-10-16 | 虫類


オオスカシバの幼虫が葉を漁っていた
大きさは6cmほどあった

スズメガの仲間で幼虫は尾角がある
蛹で越冬して初夏と秋の2回発生する
食草はクチナシ、コンロンカ(アカネ科) ツキヌキニンドウ(スイカズラ科)

成虫は昼行性で羽化直後は翅に鱗粉があるが、飛び立つときに落ちて透明の翅になる
様々な花を訪れ、吸蜜はホバリングしながら行う

成虫(6月のもの)


トウテイラン

2022-10-15 | 樹木 草花

 

花の色が中国の有名な湖、洞庭湖の水の色のように美しいというので付けられた名前
絶滅危惧Ⅱ類(vu)

ゴマノハグサ科の海岸に生える多年草
江戸時代には観賞用に植えられていた
高さ50cm程で、白い綿毛に覆われ全体に白っぽく見える

葉は対生し、長さ7cm程の倒披針形でほとんど柄は無い
花は9月頃に咲き、茎の先に穂のような総状花序を出し、青紫の小さな花を密につける
花は花序の下から順々に咲きあがる
花冠は0.5~1cmで、中部まで4裂し、裂片は広く開く
雄しべ2個と細長い花柱は花冠の外に突き出ている

蒴果は4mmの卵球形で上部はやや凹む
中には円柱状の小さな種子が多数入っている

バクチノキの花

2022-10-14 | 樹木 草花


バクチノキはサクラの仲間と聞いていたので、花は春に咲くと思っていたが今咲いている
名前は、樹皮が大きく剥がれるのを、博打に負けて身ぐるみ剝がされるのに見立てたもの

バラ科サクラ属の沿海地の樹林内に多い落葉高木 10~15m程になる
樹皮は灰褐色で、鱗片状に剥がれ落ち、その後が紅黄色のまだらになる
葉は互生し葉身は10~20cmの長楕円形、先端は尖り基部は円形かクサビ形
縁に鋭い鋸歯があり、鋸歯の先は腺になっている

花は9月頃に咲く
新枝の葉腋から3cm程の総状花序を出し、白色の花を多数つける
花は6mmほどで、2mmほどの円形の花弁が5個ある
雄しべは40個ほどもあり、花弁より長く突き出て良く目立つ
果実は核果で、1.5cm程の歪んだ長楕円形、翌年の5月頃熟す

葉を水蒸気蒸留して、杏仁水(ばくち水)を作り、咳止め薬に使う
樹皮からは黄色の染料が取れる

クサギの実

2022-10-13 | 樹木 草花


赤い花が咲いたようだが、クサギの実
枝や葉をちぎると強い臭気があるのでクサギという

クマツヅラ科の日当たりの良い山野の林縁に生える落葉小高木 4~8mほどになる
葉は対生し、葉身は8~15cmほどの三角状ハート形~広卵形
葉柄は5~10cmで、相対する葉柄は長さが違う

花は7月下旬から9月にかけて、暑い時期に咲く
枝先や上部の葉腋から集散花序を出し、芳香のある花を多数つける
花冠は5裂し裂片は平開し、白色で1cm程の広線形
雄しべ4個と花柱は花冠から3cm程突き出る
萼は紅紫色で5浅裂し、花の後濃紅色になり深裂して星状に開き中央に実を乗せる

果実は核果、6mmほどの球形、10~11月にかけて熟すと光沢のある藍色になる
核は4個で、合着して球形になっていて、表面には網目状の隆起した模様がある

若葉は山菜、果実は草木染、根は薬用になる優れもの

クコ

2022-10-12 | 樹木 草花


クコの紫色の花が咲き、実も見えた
名前は漢名の枸杞を音読みにしたもの

ナス科の落葉低木 高さ1~2mになる
枝には稜があり、葉腋や枝先には刺がある
葉は互生し、短枝の先に束生状に付くことが多い
葉身は3cm程の楕円形~披針形、先端は鈍く基部は葉柄に流れる、縁は全縁

花の時期は長く7~11月に次々に咲く
短枝の葉腋に淡紫色の花を1~3個つける
花冠は1cm程の漏斗状で上部は5裂する
果実は液果で、1cmの楕円形、晩夏から初冬にかけて赤く熟す
中の種子は2mmほどで扁平、10~20個入っている

葉は柔らかい、特に若葉は美味しく食べられる
果実は果実酒が美味しい
乾燥した果実は強壮、解熱の効果がある

サクラ

2022-10-11 | 樹木 草花


早咲きのジュウガツザクラ(左)とコブクザクラが咲いた
いよいよサクラシーズン始まりか・・

ジュウガツザクラ:
マメザクラとエドヒガンが関与した二季咲き性の栽培品種
名前の通り10月頃から春まで八重咲の花が咲く
最近増えてきて、あちこちの公園で見るようになった
花は咲き進むとピンク色で2色咲くように見える
花弁は細長く、八重咲である点で同時期に咲く他の栽培品種と区別できる

コブクザクラ:
カラミザクラとコヒガンから生まれたとされる栽培品種
一つの花に雌しべが1~5本もあり、一つの小果柄に複数の果実を付けることから子福桜という
白色八重咲で花弁は小型、中心部のものは内側に巻き込む
ジュウガツザクラに似ていて、咲き進むとピンク色を帯びる


ヒマラヤスギの球果

2022-10-10 | 樹木 草花


新宿御苑の新宿門を入ってすぐ右側に大きなヒマラヤスギがある
この木を20年ほども見ているが、今年初めて球果が生っているのを見つけた

名前にスギと付いているが、マツ科の常緑高木 高さ25mほどになる、
ヒマラヤ西部~アフガニスタン原産で、日本には明治の初めに導入された

枝は長枝と短枝があり、葉は長枝にはらせん状に付き、短枝には多数が束生する
花期は10~11月、雌雄同株で雄花も雌花も短枝に付く
雄花は花弁もない長さ3cm程の円筒形で、多数の雄しべがらせん状に付いている
下の地面が黄色くなるほど花粉を飛ばす

球果は10cm程の卵形で先はやや尖る
秋から冬に受粉して、翌年の秋から冬に熟す
種鱗と呼ぶ幅が5cmもある扇形の台座に種子が2個付いているものが、熟すとパラパラと軸から離れて舞い落ちる
種子には膜質の薄い大きな翼が付いている

アカネの花

2022-10-09 | 樹木 草花


アカネの楚々とした花が咲いていた
根が赤っぽいことからアカネという

アカネ科の山野に生えるツル性の多年草
茎はよく分枝して下向きの刺が生える4稜がある
この棘で他の草などに引っかかって良く茂る
葉は5cm程の三角状卵形又は狭卵形で、先端は次第に細くなって尖り、基部は心形
4個輪生しているうちの2個は托葉が発達したもの

花は8~10月に咲き、3mmほどの黄緑色で葉腋から出た集散花序に付く
花冠は深く分裂し裂片の先は尖る
雄しべは5個、雌しべの花柱は2個ある
果実は6mmほどの液果で黒く熟す、普通2個がくっついているが1個のものもある

根は太いひげ状で黄赤色だが、乾くと赤紫色になる
乾いた根を臼でつき、熱湯を加えて煮だした液で染めたものが「茜染め」
始めは鮮やかな色だが数年置くと深みのある赤色になる
又、根は利尿や止血など薬用にも使われる


モズ

2022-10-08 | 野鳥


高い木の天辺でキィキィ声がした 秋の風物詩モズの高鳴きだ
モズの名前は諸説あるが、「も」は鳴き声、「す」は鳥を表す接尾語と言う説が有力
「も」と言うのは鳴き声そのものではなく、いろいろな鳥の声を真似するので「諸々の」もしくはモモトリ(百鳥)と言う意味
百舌鳥と書くことにも関連している

漂鳥又は留鳥、北方のものは冬には暖地に移動する
平地の集落周辺の林や農耕地、河原、公園などに居る
非繁殖期のこの時期は1羽で強い縄張りを持って生活する
縄張りを作るため、秋には良く鳴いたり争ったりする
主に昆虫類、カエル、ミミズ、魚類などを食べ、小さい木の実を食べることもある

頭部が大きく、嘴は太く鉤状、尾羽は長くゆっくりと回すように動かす
オスは過眼線が黒く、初列風切りの基部に白斑がある
メスは過眼線は褐色で、風切りの白斑はない
大きさは20cm

カケス

2022-10-07 | 野鳥


「かけす」の言われは鳴き声説が有力だが、巣を懸けるように作るからとも言われる
英名はJayで鳴き声をそのまま名前にしている

留鳥又は漂鳥
カラス科の鳥で鳴き声はしわがれ声で、ジー、ジェーなどと鳴き他の鳥のまねをするのが上手い
平地から山地の林に居て、冬には暖地に移動するものもいる
雑食性が強く、動物質と植物質どちらも食べる
ドングリ類が好きで、秋から初冬にはよく食べ、又木の隙間や土中に隠す習性がありる
食べ忘れも多くドングリが色々なところから芽を出す手伝いをしている

雌雄同色
頭頂が白く、黒い縦斑がある
雨覆いには青と白と黒の斑模様があり特徴的で綺麗だ
大きさ33cm

アオゲラ

2022-10-06 | 野鳥


アオゲラは背中の緑色が目立つキツツキ
鳥の名前では、緑色はアオ、アオ色はルリと言うことが多い
日本固有種

留鳥 屋久島から本州に分布している
広葉樹林や混交林を好んで生活する
繁殖期以外は1羽で居ることが多い
樹皮の隙間や枯れ枝などで食べ物を探しながら、木から木へ移動する
クモ類や昆虫類、アリが好きで、秋からは木の実も食べる

雌雄ほぼ同色
上面の黄緑色、腹には黒色の横斑がある
オスは頭頂から後頭まで赤い
メスは頭の赤い部分は小さく、後頭は赤いが頭頂に赤みはない
大きさは29cm

ノビタキ

2022-10-05 | 野鳥


野のヒタキの意味の名前
本州中部以北の高原や北海道の草原で繁殖する草原性のヒタキ類
本州での繁殖は高原の背丈の低い草原に限られる

夏鳥
平地から山地の草原、牧草地、農耕地などに居るが、秋の渡りの時期には平地で普通に見られる
繁殖期以外は1羽で生活しており、草の穂先や灌木などに止まっては移動し、昆虫類やクモ類を採食する

オスの夏羽は喉と頭部からの上面が黒い色彩で、草の上などで囀るため目立つ
メスは頭からの上面が褐色で淡色の縦斑がある
大きさは13cm

オナガガモ

2022-10-04 | 野鳥


秋の渡りでカモ類が姿を見せている
エクリプスで色彩がもやっとしたオスのオナガガモが居た
頸にうっすらと白い筋が見えるが、これがはっきりと白い模様になって、頸から胸まで白くなる
エクリプス:カモ類のオスは繁殖期の春が過ぎると、鮮やかで目立つ色彩の繁殖羽から、メスと同じような地味な羽色に変わる これをエクリプスと呼んでいる
日本に居る秋から冬にかけては、繁殖羽で過ごし相手を探し、ペアーになって春に繁殖地の北方へ渡る
オナガカモはオスの長い尾が目立つカモ、メスも他のカモのメスに比べて尾が長い

冬鳥 渡りの数は多い
湖沼、川、内海などに居る
渡来直後は海上に居て徐々に内陸に移動する
水面で採食したり、逆立ちして水底の植物の種子や水草などを食べる

エクリプスが終わった色彩は
オスは頭部は焦茶で前頸は白く、後頸は黒褐色
胸から腹は白と黒の細かい斑模様
中央尾羽は長くて尖っていて立派
大きさはオス75cm、メス53cm

ジョロウグモ

2022-10-03 | 虫類


公園などでごく普通に見かけるジョロウグモ
ジョロウグモの網に、自分の体より大きいキバラヘリカメムシが掛かった
こんな大物が掛かれば当分食べ物の心配はないかもしれない

生活史:
卵で越冬して、5月下旬ころ卵のうから孵化する
6月に幼体が現れ、下旬には脱皮をして急に大きくなる
8月には多くの網が見られ、9月にはオスがメスの網にやって来て交尾の機会を伺う
10月にかけて網も張り替え大きくなり、中旬には産卵をする
10月下旬から11月にかけて網にぶら下がって死んでいるメスを見かけるようになる

網は幼体時には円網だが、成長に伴い下部が大きくなり全体に馬の蹄形になり、蹄形円網と呼ばれ、この主網とその前後に糸を引き回したバリアーと呼ばれる網とで3重構造になっている

体大きさはメス20~30mm、オス7~10mmと差がある
オスは成体になると網を張らずにメスの網に入り込み、交尾はメスが亜成体から脱皮して成体になる時に行う



イオウイロハシリグモ

2022-10-02 | 虫類


あちこちで見かける大型のクモ、メス12~28mm、オス12~18mm
池や沼の周囲の草地や林などに見られる

幼体で越冬して、成虫は6~9月にかけて見られる
9月頃に産卵をして、メスは球形の卵のうを口に咥えて保護する
子グモは卵のうを出て、一緒に集まって生活するので、分散するまでメスは見守り続ける感心なクモ

色彩や斑紋に変異が大きく、イオウイロハシリグモ型、スジボケハシリグモ型、スジブト型、コハシリグモ型などの型がある

徘徊性で網は張らない
草や低木の葉上、草間で足を広げて獲物を待つ