いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治シアター。勧進帳。  evidential literacy

2010-01-24 19:52:05 | 日記
 (注)勧進帳: 何も書いていない白紙を見て、もっともらしく読み上げる。

 東京地検特捜部による民主党の現幹事長への任意の事情聴取が1月23日に行われた。
 地検特捜部は、関係する土地購入にかかわる政治資金の不透明な流れについて、当時の
直接関係者3名を逮捕して取調べ、その違反証明、立件の過程で疑問点の解明、整合性の
必要要件として政治資金管理団体の責任者の現幹事長への事情聴取を求めた。

 (1)事情聴取後の当幹事長の記者会見、配布した聴取レジメによると、事件が発覚して事
情聴取までの間に繰り返し主張してきた内容を「包み隠さず話した」ということのようだ。
 (2)地検特捜部は、疑問点についてどう聴取したのかは不明だ。捜査の段階で当事者に手
の内を見せては、証拠隠滅、立件に支障がでるという事情配慮。
 (3)従来の主張を「言いっぱなし」の「聞きっぱなし」で、疑問点への主張を明文化し書
面に残したセレモニー(ceremony)に終わったという印象だ。

 (4)地検特捜部とすれば、この「証拠」をもとに当該逮捕者、関係企業、押収した物件の
証拠に当証言との整合性を詰めていき、立件する、次のステージに進展をはかるシナリオ。
 (5)事情聴取前に、現幹事長は「やましいところはない」と、この任意の事情聴取で疑い
を晴らし、国民に声明を出して区切りを付ける意向を示していた。
 (6)地検特捜部では、操作の段階で立件にどうしても現幹事長からの事情聴取が欠かせな
いと再三請求していた経緯がある。
 「聞きっぱなし」で終始したわけのはずもなく、集めた情報のすべて開示したとは思わな
いが、疑問点について説明を求めたと思われる。

 (7)任意の事情聴取は、その証言に虚偽があっても法律上は責任を問われないものだから
、疑問点について整合性のある証言を引き出さないことには、明文化しましただけでは、
それはすでに現幹事長が繰り返しメディアを通じて述べてきた周知の言葉の繰り返しにすぎ
ないことになるからだ。
 (8)現幹事長は、従来の主張をもとに記者会見を設けて真偽のほどはわからないが、主張
は主張として、一方的に伝えたと開示した。
(9)慎重捜査の地検特捜部も、捜査上の守秘義務の範囲内で今回の事情聴取の「いきさつ
」について説明があってもいいはずだった。ことは、政権政党の実力者で及ぼす影響力も範
囲も大きく、国民が注視する事件だ。

 そこ(事情聴取)で解明されると大見得を切った現幹事長と、事件の解明には現幹事長の
事情聴取は欠かせないと意気込む地検特捜部。大舞台は、国民には善悪のつかない政治
シアター「勧進帳」を見せられた思いだ。

 まさか、「言いっぱなし」も「聞きっぱなし」も、何も事実が書いてない白紙を見てもっ
ともらしいことを読み上げ、それをリテラシィー(literacy)しただけの共演ではないだろ
う。

 現幹事長は記者会見で「知っていることをすべて話した。それで『納得してもらえるわけ
ではない』と思うが、~真剣に聞いてもらったのは間違いない。」(『 』は本ブログ記)
と、聴取前とはあきらかにトーンが変化した。疑問点で双方やりとりがあったと思われる。

 少なくとも、聴取前と同じで、解明されたものは何もない。政治の不透明なゾーンだけが
色濃く残って、1月24日は名護市長選挙。

 

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