地方分権、自治の観点から、国政選挙と地方選挙とは直接は利害関係を異にするという考
え方がある。国政の争点を争う地方首長選挙となると、その地方、地域の住民の意思は政策
決定に重要で、基本的な影響力を持つというのが一般的だ。
沖縄普天間基地の移設問題で、移設先のひとつとして前政権(自民党)時代にいったん米
国と合意した辺野古キャンプシュワブ沖のある名護市長選挙が1月24日に行われた。
辺野古陸上移設を容認する現市長と県外移設を推進する新人(市教育長)の対決で県外移
設推進の新人が52%の得票率で勝利した。
投票率は77%で、普天間基地の移設先を県外とする者52%(得票率)、辺野古とする者
48%(得票率)、全有権者の23%が不表明という民意。
国政選挙と地方選挙は基本的には連携しないとはいえ、県外移設推進の新人を民主党はじ
め連立政権グループ(社民、国民新党)、共産党が推薦する新人が、辺野古陸上移設容認の
現市長と争う構図となった。
普天間基地の有力な移設先の市長選挙ということで、その民意の影響力は大きいという一
般論からすれば、民主党は推薦とはいえ注目の争点を抱えた選挙として、「県外移設推進を
有力な選択肢」として選挙戦を争ったことになる。
米国がすでに合意したとして譲らない辺野古キャンプシュワブ沖への移設は、民主党政権
としては非常に推進困難な事態が生まれ、民主党政権が問題をみだりに先送りしてきた結果
、米国と名護市の民意との間でいよいよ先行き不透明の政治状況となった。
名護市民意の辺野古移設容認の37%(全有権者比率)と23%(同)の不表明の民意を
どう取り込むのか。県外移設の40%(全有権者比率)は、有権者の過半数を得ていないと
いう統計上の論理には、あまりに在日米軍基地の80%近くが沖縄に集中する現状を正しく
咀嚼(そしゃく:十分に理解し、自分のものにする)していない都合主義となる。
直接当事者の民意は、県外移設で表明され、その候補者を推薦した民主党(政権)は、そ
の民意を尊重する立場にあると見るのが普通だ。
普天間基地移設問題の交渉相手は、辺野古キャンプシュワブ沖を既定事実とする米国を残
す。
冷戦構造も遠く過去のもの、EU統合、核兵器廃絶へと世界は平和にカジを切り始めた国
際政治、平和外交の環境変化を前提に、日本に駐留する米軍基地の全体構想も含めて普天間
基地の県外、国外移設に向けて、民主党政権は「民意」を背景に交渉(diplomacy of public opinion)
を進めるべきだ。
それが、総選挙中の公約(発言)ともリンクした政治責任の履行となるからだ。
その時国民は、全体責務(代償:compensation)として、普天間基地移設にかかわるリス
ク(財政的高負担)について、相応の責任負担は覚悟しなければならないだろう。
え方がある。国政の争点を争う地方首長選挙となると、その地方、地域の住民の意思は政策
決定に重要で、基本的な影響力を持つというのが一般的だ。
沖縄普天間基地の移設問題で、移設先のひとつとして前政権(自民党)時代にいったん米
国と合意した辺野古キャンプシュワブ沖のある名護市長選挙が1月24日に行われた。
辺野古陸上移設を容認する現市長と県外移設を推進する新人(市教育長)の対決で県外移
設推進の新人が52%の得票率で勝利した。
投票率は77%で、普天間基地の移設先を県外とする者52%(得票率)、辺野古とする者
48%(得票率)、全有権者の23%が不表明という民意。
国政選挙と地方選挙は基本的には連携しないとはいえ、県外移設推進の新人を民主党はじ
め連立政権グループ(社民、国民新党)、共産党が推薦する新人が、辺野古陸上移設容認の
現市長と争う構図となった。
普天間基地の有力な移設先の市長選挙ということで、その民意の影響力は大きいという一
般論からすれば、民主党は推薦とはいえ注目の争点を抱えた選挙として、「県外移設推進を
有力な選択肢」として選挙戦を争ったことになる。
米国がすでに合意したとして譲らない辺野古キャンプシュワブ沖への移設は、民主党政権
としては非常に推進困難な事態が生まれ、民主党政権が問題をみだりに先送りしてきた結果
、米国と名護市の民意との間でいよいよ先行き不透明の政治状況となった。
名護市民意の辺野古移設容認の37%(全有権者比率)と23%(同)の不表明の民意を
どう取り込むのか。県外移設の40%(全有権者比率)は、有権者の過半数を得ていないと
いう統計上の論理には、あまりに在日米軍基地の80%近くが沖縄に集中する現状を正しく
咀嚼(そしゃく:十分に理解し、自分のものにする)していない都合主義となる。
直接当事者の民意は、県外移設で表明され、その候補者を推薦した民主党(政権)は、そ
の民意を尊重する立場にあると見るのが普通だ。
普天間基地移設問題の交渉相手は、辺野古キャンプシュワブ沖を既定事実とする米国を残
す。
冷戦構造も遠く過去のもの、EU統合、核兵器廃絶へと世界は平和にカジを切り始めた国
際政治、平和外交の環境変化を前提に、日本に駐留する米軍基地の全体構想も含めて普天間
基地の県外、国外移設に向けて、民主党政権は「民意」を背景に交渉(diplomacy of public opinion)
を進めるべきだ。
それが、総選挙中の公約(発言)ともリンクした政治責任の履行となるからだ。
その時国民は、全体責務(代償:compensation)として、普天間基地移設にかかわるリス
ク(財政的高負担)について、相応の責任負担は覚悟しなければならないだろう。