いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

現代の中の祭祀、神事。  religious service in a modernism

2010-01-22 19:43:38 | 日記
 古代から歴史的に地元、地域に受け継がれてきた祭祀(さいし)と神事。豊作、豊漁、繁
栄を願って、地元、地域を治める(または影響を持つ)と信じられてきた神々に、勇猛果敢
な雄姿、心意気(魂)を見せて、平穏の感謝と厚い信仰心をあらわす(捧げる)。
 そうすることによって、自らの生きる証し、存在感、立場、意義(identity)を確認していた、
生活に根ざした自己満足の世界観。

 (1)諏訪地方は、山林が広がり、杉、ヒノキ、樅の木など木材の産地。代々、受け継がれ
てきた「御柱大祭」(諏訪大社)。山林から切り出した長い大木(樅の木)を、山の急斜面
を転がして曳(ひ)き、神事参加者が次から次と大木に飛びつき、共に転げすべり落ちる神
事(大祭)。

 時には、大木の下に挟まれ、死亡事故(報道)も起きる。現在も、勇壮な神事として死亡
事故にもかかわらず7年に一度の大祭として行われている県指定無形民俗文化財だ。
 
 (2)三重県の多度地方の「上げ馬神事」(多度神社)。馬に乗った神事参加者が、急斜面
を一気に駆け上がる。見事に駆け上がった馬の数で豊作、凶作を占う神事。南北朝時代か
らの伝承神事で県指定無形民俗文化財だ。
 苛酷な急斜面を駆け上がるため、馬に過度な刺激(たたき行為と興奮剤投与)を与えたり
、乗馬者には未成年者でも、意気込み、熱くなるためか、飲酒の慣習もあるとのうわさもあ
る。登りきれない馬が急斜面を転げ落ちたり、わずかに前足を頂に掛けた馬が、周りにはや
し立てられて必死にもがく姿を映像で見ることがある。

 社会規範も制度もない不文律の社会での信仰心の熱い、神の存在を拠りどころとしていた
時代からの神事を大切に保存、伝統継承してきた形態が、観光資産としてのあり方を含めて
、現代でのコンプライアンス(compliance)の中で問われている。
 県と動物愛護団体が、改善に向けて調査に乗り出す。

 数千年前の生活に根ざした人の拠りどころ、神の意向が、現代社会の祭祀、神事として、
コンプライアンスの中で問われる。
 古代と現代社会、祭祀・神事と観光資産との共存の接点。文化としての伝統行事として、
時代とともに変わらなければならないもの「コンプライアンス(compliance)」・「究極の
危険度外視」、守り続けたいもの「伝統」、守り続けなければならないもの「文化」、はある。

 自己満足だけではすまない、生物多様性の世界観が今は、目の前にある。現代社会にお
ける古代の祭祀、神事は、生活に根ざしていた時代のものとは隔絶して、誰もかれもが自由
に神事に参画とはいかない、あきらかな文化、生活環境の変化はある。
 そういう時代だからこそ、パラドックス(paradox)に、祭祀、神事は古代の起源形態を
受け継いでいく必要性(merit)もある。

 現代における伝統行事とは、「周到」に保存実施する側と、「公正」に見る側の2ステー
ジで記録、保存、継承されていくものだ。
 

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