裁判員制度の導入により司法制度が改革され、有資格者以外の民間人にも裁判の判決に
かかわる機会が開かれた。高度な法律判断と事件の全容に向き合う、民間人にはリスクの
大きい制度改革だ。
あわせて、同時に検察の専門権限であった起訴行為について、法改正により、国民から選
任された審査員による検察審査会(従来は、「参考意見」程度のチェック機関)にあらたに
法的権限を与えて、検察による不起訴処分の事案のチェックにとどまらず、これに法的拘束
力を与えて事案によって起訴を直接請求できる制度改革が行われている。
今回初めての事案として、01年7月の花火大会の明石歩道橋事故にかかわり、検察が繰
り返し不起訴としていた当時の警備責任者のひとりの警察副署長を起訴相当と議決した。
今後、法的拘束力を持って裁判で審理される。
花火大会終了後の帰途に歩道橋に殺到した見物客が次々と転倒し、11人が圧迫死亡、
200人弱がケガを負う惨事。
警備責任者のうち、警察副署長のポジションの当該者が直接責任を問われないのでは、遺
族、被害者及び関係者にとっては、惨事の被害責任、原因の所在が解明されずに不十分で、
とうてい納得できない。
誰もが直接被害者となりうる市民の感情が、検察による不公平で不公正な国家権力、権限
、判断に、法的拘束力で是正を求めた制度改革の成果だ。
高度な法律判断と事件の全容と向き合うリスクの大きい裁判員制度(裁判員の場合は、気
負わなくとも、高度に教育を受けた裁判官にまかせたらいい)よりは、この検察の起訴権限
に対する市民感情によるチェック・システムに法的権限を与える制度改正(改革)の方が、
市民のストレートな感情、思いが浸透して伝わる効果が大きい。
今回の明石歩道橋事故の事例でも、やり場のない、向ける悲惨な体験の受け取る場所のな
い、遺族、被害者感情を斟酌(しんしゃく)して、不公平を見逃さない判断に結びついた。
市民感情がストレートに生かされるのは、公権力(civil rights power)の「制度」や「権限」の
「チェック・システム」の方だ。
今後は、裁判所が指定した弁護士が検察にかわって審理を進めることになり、過去の事件
の全容の把握、そのための膨大な資料の分析、検証と、負担も責任も大きく、真実追求には
むずかしい対応も残る。
事件発生にともなう警察の捜査能力の向上、検察の公正で公平な対応(起訴、不起訴)が
当然、前提として求められるが、検察不起訴チェック・システムの今後の課題だ。
かかわる機会が開かれた。高度な法律判断と事件の全容に向き合う、民間人にはリスクの
大きい制度改革だ。
あわせて、同時に検察の専門権限であった起訴行為について、法改正により、国民から選
任された審査員による検察審査会(従来は、「参考意見」程度のチェック機関)にあらたに
法的権限を与えて、検察による不起訴処分の事案のチェックにとどまらず、これに法的拘束
力を与えて事案によって起訴を直接請求できる制度改革が行われている。
今回初めての事案として、01年7月の花火大会の明石歩道橋事故にかかわり、検察が繰
り返し不起訴としていた当時の警備責任者のひとりの警察副署長を起訴相当と議決した。
今後、法的拘束力を持って裁判で審理される。
花火大会終了後の帰途に歩道橋に殺到した見物客が次々と転倒し、11人が圧迫死亡、
200人弱がケガを負う惨事。
警備責任者のうち、警察副署長のポジションの当該者が直接責任を問われないのでは、遺
族、被害者及び関係者にとっては、惨事の被害責任、原因の所在が解明されずに不十分で、
とうてい納得できない。
誰もが直接被害者となりうる市民の感情が、検察による不公平で不公正な国家権力、権限
、判断に、法的拘束力で是正を求めた制度改革の成果だ。
高度な法律判断と事件の全容と向き合うリスクの大きい裁判員制度(裁判員の場合は、気
負わなくとも、高度に教育を受けた裁判官にまかせたらいい)よりは、この検察の起訴権限
に対する市民感情によるチェック・システムに法的権限を与える制度改正(改革)の方が、
市民のストレートな感情、思いが浸透して伝わる効果が大きい。
今回の明石歩道橋事故の事例でも、やり場のない、向ける悲惨な体験の受け取る場所のな
い、遺族、被害者感情を斟酌(しんしゃく)して、不公平を見逃さない判断に結びついた。
市民感情がストレートに生かされるのは、公権力(civil rights power)の「制度」や「権限」の
「チェック・システム」の方だ。
今後は、裁判所が指定した弁護士が検察にかわって審理を進めることになり、過去の事件
の全容の把握、そのための膨大な資料の分析、検証と、負担も責任も大きく、真実追求には
むずかしい対応も残る。
事件発生にともなう警察の捜査能力の向上、検察の公正で公平な対応(起訴、不起訴)が
当然、前提として求められるが、検察不起訴チェック・システムの今後の課題だ。