いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

公営ギャンブルと依存症。 public management style of gamble & dependence symptoms

2014-08-21 19:47:45 | 日記
 (1)厚労省の研究チームが成人の依存症(dependence symptoms)についての調査結果を発表した。ギャンブル依存(gamble symptoms)の人が536万人(成人の4.8%、うち男性8.7%-報道)、ネット(IT)依存421万人(5年前の1.5倍)、アルコール依存が109万人と初めて100万人を超えた。

 調査は成人4千人を対象に面接調査方式による推計数だ。医療機関での治療実態も考慮したのかよくわからないが、実際の数よりは社会の傾向としての依存症実態だろう。
 実際に自ら依存症と自覚して医療機関で治療を受けることが少ないのが依存症の傾向だ。

 (2)ギャンブル依存症については、米国のラスベガスのように公営ギャンブル・メッカの施設が充実している海外に比較して、「際立って」高いのが日本の特徴だ〔同様の海外の調査では、依存率は米国(02年)1.58%、香港(01年)1.8%、韓国(06年)0.8%〕。

 パチンコ、競馬、競輪など比較的低額で利用できる公認ギャンブルが全国規模で普及していることが日本のギャンブル依存度の高い要因といわれる。

 (3)最近自民党にはパチンコ、パチスロの「換金」を合法化してそれにパチンコ税を課税する案が検討(報道)されている。パチンコは現行法(風営法)で景品買取り、換金を禁止しているが、実際には店の外での交換所で換金されているのがほとんどでパチンコ店とは関係のない行為として黙認(connivance)されているのが実情だ。

 そこで自民党案では社会に公然とまかり通っているパチンコ換金を合法化して、これに課税して法人税減税の埋め立て、社会保障の財源にしようというものだ。

 (4)黙認して規制できないものなら、社会の公の目の前で公正に公営化(public management style)して課税しようというもので、不法行為を黙認、社会悪の放任、既成事実化よりはましだ。

 かって美濃部都政時代に東京都がギャンブル廃止を打ち出して、都財政を悪化させたことがある。
 政府は秋の臨時国会でカジノ法案を成立させて、公営ギャンブルを拡大し税収増政策を推進する意向だ。
 同じ政府(厚労省)の研究調査による海外に比較して極めて高いギャンブル依存度(症候)の高さとの関係調整はどうなるのか。

 (5)ギャンブル依存の高い国民がみんなそれで生計をたてれるようなら、それはそれで誰もが汗水流して限られた収入(賃金)の中で働きはしないし、逆にギャンブルで破たんして路頭に迷う人が増えることにでもなれば、税収は仮に増えてもその事後対策で国民の投資(税)が使われることにでもなれば本末転倒もので、政府の公営ギャンブル拡大の責任も大きくなる。

 厚労省の研究調査結果を見れば、公営ギャンブル拡大を税収増、政策財源の目玉とばかり見ることはできずに、ギャンブル依存症対策が必要になってくる。
 
 (6)ギャンブルは宝くじと同じように一攫千金を夢見るところがダイナミズム(dynamism)であり、入り口論で対象者を収入、労働環境で規制することなどできないし、公営性からは出口論としてギャンブル使途金比率について制限、規制を設けることは可能だ。

 ギャンブル施設運営では反社会勢力の排除もあわせて、国、政府、関係自治体が責任を持って公正性、社会性、倫理性、安全性を確保することが求められる。
 
 (7)その中で「そろそろ、このあたりでおやめなさい」というギャンブル倫理観が必要だ。依存症対策を進めなければ、政府内の政策整合性が取れない。

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