いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ダブルスコアの反対60%。 opposite opinions 60% by a score of double

2014-08-25 20:01:29 | 日記
 (1)集団的自衛権の行使容認問題で与党協議の自民党側座長を務めた高村副総裁が来年の通常国会に関連法案すべてを提出すると述べて、「法案が通るころには50%以上の人が支持してくれる」(報道)と楽観的な(optimistic)意見を述べた。

 メディアの直近の世論調査では集団的自衛権の行使に反対は60%で賛成31%とダブルスコア(a score of double)の大差がついている。
 安倍首相は国民に丁寧に説明していくと強調しているが、やっていることは衆参各1日の国会審議だけで閣議決定し、原爆の日での被ばく者団体からの閣議決定取り消し要請にも「見解の相違ですね」とつっぱねたと言われており、言行不一致、あべこべ状態が続いている。

 (2)そもそも国民の意思(世論調査のことか)など意に介さないと公言するのが安倍首相の持論であり、国民に丁寧に説明するなどとはリップサービスにすぎない。
 同じく与党協議に出席していた自民党幹事長の石破さんはもっと幅広い集団的自衛権の行使容認を主張するさらに「強硬派」で、政権運営を考えて限定容認の安倍首相とは意見が合わないといわれている。

 9月に実施される予定の内閣、党執行部改造にあたっては、石破幹事長の続投を支持するものが49%と過半数に迫って国民の意思もその場その場の都合主義で拠り所がよくわからないものだ。

 (3)この国民の主義主張、考えに一貫性のない都合主義のところが安倍首相に足元を見られているところだが、政治も安倍首相が前面に出た官邸主導政治で政高党低の政治運営がわかりにくさを演出もしている。

 米軍によるイラクの空爆再開により標的となったイスラム過激派組織「イスラム国」が米国人ジャーナリストをネット公開処刑して、これに米国政府が危機感を強め、欧州と米国は同じ利益、価値観で行動すると牽制して、自由主義国の集団的自衛権行使の可能性も出てきた。

 (4)米軍撤退前のイラク戦争同様、日本もこれに巻き込まれる可能性も考えられて、今度は国際テロの標的の脅威も加わって、事態は高村副総裁が考えるようなすべての関連法案が通るころには50%以上の人が支持するどころか、国民の危機意識をさらに高めて集団的自衛権の行使に反対するダブルスコアの比率がさらに高まる、広がる可能性の方が大きい国際情勢だ。

 (5)こういう中でも内閣支持率(47%、前回比+2%)、自民党支持率(32%、前回比+3%)を伸ばしているのは、自己否定、迷走、破滅の前民主党政権との比較反動力が働いているのではないのか。
 安倍内閣を支持するもっとも大きな要因は指導力である(世論調査)ところによくあらわれている。

 (6)中国、韓国が批判する日本の歴史認識問題では67%が日本の反省は十分だと回答している。ここえきての中国、韓国が手を組んでの日本の謝罪と責任を強く求める外交姿勢、領有権軍事力干渉に対して、反中国、韓国の国民感情、ナショナリズムが高まっているもので、84%が首脳会談をした方がいいと回答しているとおり問題解決に向けた首脳同士の早期の話し合いが必要だ。

 (7)ここでも旧日本軍によるアジア植民地支配への日本の責任論に甘く、集団的自衛権の行使には反対するという国民意識の一貫性のなさ、都合主義がよくわからないものだ。
 経済、生活、生計優先ともあわせて、これを小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)と書いてきたが、結局は政治にいいように利用されて政治一強他弱時代を演出している。

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