いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

自主避難頼りでは。 what a depend on independent refuge

2014-08-28 20:18:42 | 日記
 (1)広島市安佐南、北区で起きた豪雨土砂被害で危険災害の特別警戒区域に指定されていないところが2か所あった問題で、防災担当相が自治体が指定しやすいように後押ししたいとして、危険災害の特別警戒区域に住んでいれば自主避難(independent refuge)も早めにしやすい趣旨の話をしていた。

 防災担当相としては気楽な話をしているが、自治体としては危険災害の特別警戒指定区域に住宅建築など無責任に進めずらいし、建築確認の許可も出しづらいところだ。
 日本の住宅事情からやむを得ないところもあるが、危険災害の特別警戒区域を指定するなということではなくて、そういう危険度の高い地域に災害危険防止の物理的対応、対策をあらかじめ行政として考える必要がある。

 (2)危険災害の特別警戒区域に住むことになる人にとっては、そんな怖い住宅地に人を住まわせるなと言いたいところだが、そうでもしなければ自宅を持って生活をしたい人の需要、願望に応えられない日本の宅地建築事情がある。

 日照権や建ペイ率を規制緩和して自宅建築需要に広く対応する政府方針で、都市部をはじめ山麓までいろんなところに住宅建築が進んでいる。

 (3)しかし、広島市安佐南、北区では山肌にびっしりと入り込んだ住宅地にその土壌がもろい崩れやすい危険な地質であったことがわかっていたわけだから、早めの避難勧告、指示や事前の土砂災害防止の安全対策が当然必要であった。

 広島市の水防計画、住民避難対策のマニュアルの見直し、改善が必要だ。災害危険地域の避難勧告、指示が遅れて自治体職員は住民が自主避難してくれているものと思っていた(報道)ではあまりに現状認識、問題意識の欠如がはなはだしいものだ。

 (4)これでは災害国日本の住民安全は守れない。住民側にも十分災害危険度は伝わっていたのか、最近の豪雨被害でもニュース映像に写る避難所には思った以上に閑散としていて、後の報道では多くの住民が避難勧告に従わずに自宅にとどまっていたことがわかっている。

 このケースは深夜の大雨でかえって避難することが危険であったこともあるが、一般的な傾向として自治体の避難勧告、指示が遅れて住民がこれに従わずに自宅にとどまることが多く見受けられる。
 住み慣れた自宅にこだわる住民感情もあり、日ごろから行政と住民が避難勧告、指示に対する行動の共通認識、意思疎通をはかって理解したうえでの行動計画の周知が必要だ。

 (5)気象情報などで住民が早めに自主避難を判断することも必要だが、防災担当相、自治体がそれに頼るようでは国民投資(税)による行政統治、機能の責任も何もあったものではない。
 危険災害の特別警戒区域として指定するなら日ごろの住民の避難訓練、避難目安、連携、連帯、確認について行政と住民が危険度を共有しておくことが必要だ。

 (6)広島市安佐南、北区の土砂災害による被害甚大は深夜の大雨による避難勧告、指示の遅れという災害時対応の問題以前に、地質上災害危険の高い地域に対する建築許可、防災計画、安全対策、施工対応の不備、不足がある。

 日本の住宅事情から宅地建築条件の規制緩和はやむを得ないところだが、パラドックス(paradox)として住居の安全環境性についてはそれ以上の見合った細心の対策、配慮が求められるものだ。


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