(1)保釈(保釈保証金の支払いが条件)が金額の有無、負担能力で差別化されるのは、公平、公正で社会正義のパラダイム(paradigm)としての司法、裁判所の判断にはそぐわないものだと書いたが、当選当時最年少と話題になった市長が保釈金1千万円支払いで保釈された。
本人は市事業汚職にからむ受託収賄などの罪状を一貫して否定しており、保釈後すぐに市長職に復帰(comeback of bail mayor)した。有罪判決が確定するまではいかなる被告も推定無罪であるから、証拠隠滅、逃亡の恐れがないと判断して保釈されれば若干の活動制約はあっても一般人と同じように取り扱われるのは不思議ではない。
(2)しかし市事業の汚職にからみ逮捕された市長の場合、保釈の条件として副市長、関係職員、後援会関係者との「接触が禁止」(prohibition of contact)されており、実質上市長としての職責に重大な影響が及ぶことが予想されるが、議会側の「自粛すべきではないか」の申し入れに対して本人の「(議会に)出席したい」との強い意向(報道)で議会側も折れて市長として議会に出席することになった。
通常市長席の隣りは副市長が座るが、接触禁止の副市長はそこを空けて反対側のゾーン席に移る(報道)ことになるようだ。
(3)そうまでして市長職にこだわるのは、いまだに市民からの市長行政への支持、期待が高いうえに、一貫して汚職疑惑を否定している自分の立場を主張する意味合いが見られるためだ。
汚職にかかわる市事業の関係者への接触を禁止しながら、市長職の続行を容認するという形式主義的な司法の判断は実質市長行政を満足に執行できない状況に置きながら、被告としての保釈市長に司法の場以外(議会)で弁明と事件への正当性を公に主張できることを間接的にも認めることになるもので、一方的な被告の利益に供するものでもある。
(4)有罪が確定するまではいかなる被告も推定無罪とはいえ、司法の場以外で市長という立場上議会という公共機関の関係者として職務を通して自己弁護、利益保護のための自己主張を(直接的でなくても)公に発信できるという状況はふさわしいのか、司法上の誰もが公平、公正の原則からいえばここでも差別化、立場によっては偏った取り扱いで違和感がある。
事実上、市長として職務遂行がむずかしい「接触禁止」を条件とするなら、市事業の汚職にかかわる市長職も制限すべきである。
仮に保釈市長がその後の公判で有罪になった場合の保釈中の行政判断、決定、執行はどうなるのか、取り消しということにでもなればますます市政の混乱(confusion of municipal government)を増長させるだけで不安、不信を助長するだけの司法の一貫性のない決定だ。
(5)保釈市長、議会に良識判断を期待しまかせるのではなく、司法の立場からの保釈条件の精査が必要だ。
もちろん冒頭に書いたように金額の有無、負担能力によって差別化した保釈など止めて、他国に比べて判決に時間がかかるといわれている裁判所は早く公判を開始し確定した証拠で慎重審議のうえ判決を出すべきだ。
本人は市事業汚職にからむ受託収賄などの罪状を一貫して否定しており、保釈後すぐに市長職に復帰(comeback of bail mayor)した。有罪判決が確定するまではいかなる被告も推定無罪であるから、証拠隠滅、逃亡の恐れがないと判断して保釈されれば若干の活動制約はあっても一般人と同じように取り扱われるのは不思議ではない。
(2)しかし市事業の汚職にからみ逮捕された市長の場合、保釈の条件として副市長、関係職員、後援会関係者との「接触が禁止」(prohibition of contact)されており、実質上市長としての職責に重大な影響が及ぶことが予想されるが、議会側の「自粛すべきではないか」の申し入れに対して本人の「(議会に)出席したい」との強い意向(報道)で議会側も折れて市長として議会に出席することになった。
通常市長席の隣りは副市長が座るが、接触禁止の副市長はそこを空けて反対側のゾーン席に移る(報道)ことになるようだ。
(3)そうまでして市長職にこだわるのは、いまだに市民からの市長行政への支持、期待が高いうえに、一貫して汚職疑惑を否定している自分の立場を主張する意味合いが見られるためだ。
汚職にかかわる市事業の関係者への接触を禁止しながら、市長職の続行を容認するという形式主義的な司法の判断は実質市長行政を満足に執行できない状況に置きながら、被告としての保釈市長に司法の場以外(議会)で弁明と事件への正当性を公に主張できることを間接的にも認めることになるもので、一方的な被告の利益に供するものでもある。
(4)有罪が確定するまではいかなる被告も推定無罪とはいえ、司法の場以外で市長という立場上議会という公共機関の関係者として職務を通して自己弁護、利益保護のための自己主張を(直接的でなくても)公に発信できるという状況はふさわしいのか、司法上の誰もが公平、公正の原則からいえばここでも差別化、立場によっては偏った取り扱いで違和感がある。
事実上、市長として職務遂行がむずかしい「接触禁止」を条件とするなら、市事業の汚職にかかわる市長職も制限すべきである。
仮に保釈市長がその後の公判で有罪になった場合の保釈中の行政判断、決定、執行はどうなるのか、取り消しということにでもなればますます市政の混乱(confusion of municipal government)を増長させるだけで不安、不信を助長するだけの司法の一貫性のない決定だ。
(5)保釈市長、議会に良識判断を期待しまかせるのではなく、司法の立場からの保釈条件の精査が必要だ。
もちろん冒頭に書いたように金額の有無、負担能力によって差別化した保釈など止めて、他国に比べて判決に時間がかかるといわれている裁判所は早く公判を開始し確定した証拠で慎重審議のうえ判決を出すべきだ。