サブカルチャーマシンガン

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「SHISHAMO6」全曲レビューその5「忘れてやるもんか」

2020-11-24 | SHISHAMO6全曲レビュー
                    







あんたの持ち物なんて
本当はこの世に1つもないよ







この曲って、
言ってしまえば「負け惜しみ」の曲なんですよ
傷付けられた相手に対する恨みつらみ・・・が中心の曲なんですけど、
不思議とそこまでねちっこくない印象があるのは朝子さんの性格故なんでしょうか
結構、
一方的にぞんざいに扱われて、
そのぞんざいに扱った相手に対して、
怒りと呪いを投げかけるような凄い曲なんですけど、
なんていうか、
歌い手も「負け惜しみ」と分かってて歌ってる気がするんですよね・・・
こういう激情というか情念を吐き出す類の曲って割と攻撃的だったり或いはジメジメしてたりするけど、
この曲は曲調もレゲエだし、いや、そもそもこういう歌詞にレゲエっていうのも凄いな!って思いますが(笑
雰囲気としてはカラカラ乾いていて、それでいて、やっぱどこか悔恨が滲んでる楽曲なんですよね。

もう一つ、
この曲の最後の歌詞、
冒頭で引用した歌詞ですが、
(個人的な聴き方ですけど)自分自身にも向けられてる気もするんですよね
そう考えると・・・
物凄い自虐的でネガティブな曲にも聴こえて来ますけど、
ただ自分はそういうシシャモの内向的な部分こそ大好きなので(笑
この曲の・・・
精神の深淵まで辿り着いてしまったような“最果て感”が兎角大好きです
溜め息とか、途方に暮れてるとか、ヤケクソとか、誰かを呪うような気持ちだったりとか、
決して明るい感情だけではない切実で生々しい、剥き出しの情感が宿っている大好きな一曲です。
 でも、
先述のように楽曲自体は聴きやすいレゲエのアレンジに仕上がってるんで、
そういう意味だと相反する要素が絡み合っていて面白い楽曲ですね
サビでバン!と勢いのあるメロディに変わるんですが、
その感情の吐き出し方もまた秀逸な曲、です。






聴いててスカッとする曲でもありますが、
やっぱりどこか負け犬臭も漂ってる曲なので、
そういう意味では激情と哀愁が同時に味わえる、
そんな稀有な曲になっている~と、言えるでしょう
でも個人的にはやっぱりどこか満たされない気分に作用してくれるとこは・・・強い、かな。