サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【アルバムレビュー】theory/おいしくるメロンパン

2021-02-27 | アルバム感想
                    






1.
2.透明造花
3.亡き王女のための水域
4.架空船
5.斜陽





もう何も見せないで一面の青で
孤独そのもののような海をゆけ (架空船)








この間出たやつ。
今年は新譜のレビューも逐一行っていこう・・・と思ってます
出来れば年間ベスト10くらいをアルバムと楽曲で同時に行えるくらいが理想、、、と思う
やっぱそれが「自分らしさ」だとも考えてるので。

おいしくるメロンパンのCDを買ったのは初めてです
聴いてて思ったのは、
久しぶりに純正の3ピースサウンドを聴いた気がします。
敢えて他バンドの名前を出しますが、
なんとなく初期のPeople In The Boxに通じるサウンドと詞世界な気もする
そこに若干Plastic Treeのエッセンスが入ってるような・・・(勿論、個人的な意見です)。
今時珍しいくらいオルタナティブな音像を貫いているバンド、に聴こえました。


楽曲で言えば、
やっぱり自分的には「架空船」が一番ツボりましたね
孤独主義者に刺さるような歌詞とシリアスな雰囲気は2000年代のギターロック、
オルタナティブロックに触れて来た身としてはかなり入っていき易かった
もっと突き詰めて言うと、
この曲は完全に馴れ合いを否定していて、
自分の世界に閉じ籠る事を肯定している曲にも聴こえるんですよね
そこがまた良い、というか
逆に男らしい気もしますよね・・・そうでもないですか笑?
ただ、
今時ストレートにこういう事を歌えるバンドも早々いない気はする
探してないだけで必死に探せばいるかもしれないですが(笑
まあ目につきやすいトコロにこういう音楽があると良いよね、って話ですね。


しかし、
その次に前向き?なエネルギーを内包している「斜陽」が来るのもまた面白い
ネガポジというか、逆にアンニュイやダークに染まり切ってないのもリアルで素晴らしいです
またこの曲だけはクールではなく声を張り上げて歌ってるのでアクセントとしても良い
もっと言えば全5曲中この曲だけ唯一ロックンロール的な作中観・・・
必死に足掻く、的な要素が強いので、
その構成の妙もあって余計に好きになれた感はありますね。
 他にも、
神聖な雰囲気と甘いボーカルとの調和が美しい「獣」、
思いっ切り00年代のギターロックっぽいアレンジが痛快な「透明造花」もお気に入りの楽曲
歌詞は全体的に難解というか、
センセーショナルな言葉が並んでるので、
すぐ理解は出来ない独特の言語感覚だな、って思いました
ただその分、聴き手本人が色々と自由に解釈出来る~という良さもあるので、
そういう観点から考えると、正に出てくるべきして出て来たバンド・・・と言えるかも、です。
ちょうど真ん中にバラッド「亡き王女のための水域」が入ってるのもバランス的に秀逸と思う。




夏の模造品を
あなたは幾つも持っていた
極めて風流な
日傘から覗く永遠や
今でも夢に見るのさ (透明造花)



こうして改めて歌詞カード読んでると、
ホント独特の感性のバンドだな~って思う。
だけど、だからこそ、その人の中で噛みしめて聴けるのがこのバンドの最大の良さでしょう
逆に「架空船」のサビのフレーズなんかはかなり分かり易い部類なのかもしれない笑
 そう、
おいしくるメロンパンは
現代に生き続けている貴重な00年代バンドのエッセンスを継ぐ、継げるバンドに感じたんですよね
一曲目の「獣」の時点で独自の雰囲気と確かなサウンドの気持ち良さがあるので、
出来れば(フィジカルでないとしても)通しで聴いて欲しい一枚です。

最も聴いて欲しい一曲は、
やっぱり精神的に軟弱な自分に強く響いた「架空船」ですかね
この曲を聴く事でむしろ「そこ」を突き進む勇気を貰えたんじゃないか、とか、感じました。
気に入ったので、今後も追い駆けます。