サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

本当に欲しかった言葉。/青年少女よ、春を貪れ。 第十二話「いいお母さん」

2021-04-01 | 山田シロ彦








でもさあ、
そんな何でもソツなくこなせる「完璧な人間。」なんて早々居ないって・・・。
俺の祖母が言ってた言葉で印象的だったのは「多少は目を瞑らないといけない」という言葉
つまり、
何もかもとは言わないけど、
ある程度は相手のダメな部分も許さなきゃいけないと思うんですよね
何でもかんでも無理解で頭ごなしに否定されちゃわゆだってそりゃ苦しくなるよ
もし相手がしんどそうだったらちゃんと支えて、
その逆もまた然りですし・・・
う~ん、
正直、この旦那文句が多すぎるようにも思うんだよな
その割には感謝の言葉も一切無いし、
やっぱり人間頑張ったら、
多少はねぎらわれたり褒められたりしたいもんだから、、、
わゆの「頑張ってるトコ」も個人的には認めるべき、だと思いますよ。







もっと言えば、
わゆのやってる事全部が至ってないような言い方してますけど、
ちゃんと面倒見てるし健康にも気を遣ってるし子供の喜ぶ事をしてるっていう「優しさ」もある
ぶっちゃけ、
揚げ足を取ってマウント取ってるだけにも見えるんですよね
何をこじらせてるのかは分かりませんけど、
完璧な人間がこの世に居ないように、
全部が間違ってる人間だってこの世には居ないので。
ま、相対評価ならどちらもそれに近い人間はいるのかも分かりませんけど(笑
けど、
わゆだって仕事してちゃんと稼ぎつつ、
子供の世話だって放棄してる訳じゃないし、優しく尽くしている一面もある
「そういうトコ」もしっかりと認めてあげるべきでは?と今週読んでて素直に思いましたが、
でも案外、
人間って慣れるとまず減点式になってしまうのはありがちな事なんで、
あの旦那も気に入らない部分が膨らみ過ぎてああなってしまっているのかも、ですね
そういう意味ではものっそいリアルな夫婦描写には仕上がってて流石シロ彦さんや!と思いました(笑
凛チアでもこういうリアリティの深い描写得意な印象でしたが更に研ぎ澄まされてるイメージですね。




勝之・・・



だからこそ、
勝之の言葉が胸に響いた・・・。
「自分のダメなトコ」だけではなく、
「自分の素敵なトコ」を見ていてくれたから・・・。
しかも、
勝之とは物凄い久々に再会した訳で、
それでも勝之は子供の言動や表情からわゆに愛されてる事を感じて、
ああいう言葉が出たんでしょうね
それは非常に勝之らしい言葉でもあったし、
これまでの描写から勝之が言いそうな言葉でもありました
ぼーっとしてる、とか、
注意力散漫な部分ばかりを責められ、
全否定の最中にあったわゆにとっては、
勝之の言葉こそ今最も欲しかった言葉・・・だったんでしょう
そもそも、市販ではなく、わざわざ手作りのぬいぐるみ作る時点で愛情が無い訳もなく、
また子供の為に頑張ってない訳もない、わゆだって立派に母親やろうと毎日頑張ってるんですよね。
そういう「努力してる部分」をまさか身内ではなく他人から言われるのは皮肉ですけど、
でも人生案外そんなものなのかもしれない。
しれないけど、
だからこそその後のわゆが肩を震わせ泣いている(?)カットには正直胸が震えました

誰でも、
「頑張ってる姿」を認めて欲しい
よしんば、
そう思ってなくても、
否定されてばかりの人生は辛い
たまには誰かに「頑張ってるね。」と頑張りを肯定して欲しい。って気持ちはある・・・し、
それまで旦那に“ダメな母親”の烙印を押され続けて来たからこそ、
勝之の言葉が彼女の胸に刺さったんでしょう

母親が自分の為に作ってくれたぬいぐるみ、それを抱きながら笑顔で話す子供、
そんな母親が、あの子にとって悪い母親なわけがない。
自分の全てを否定された後に、
自分の「やってきたこと」をあんな風に真っ直ぐに肯定されたら、そりゃ誰だって泣くと思う。
わゆは頑張ってるし、多少至らないトコがあっても、ちゃんと誠実であろうとしてる。
それが第三者から証明されて・・・それがまたわゆ好きとしては嬉しい一話でした。


そして・・・泣きました(爆)。
わゆ、頑張れ・・・!!






しかし、
あんな風に悪態突かれても、
健気にぬいぐるみ探そうと頑張ってたわゆはやっぱり「良い人」ですな
なんか気が付いたら作中で最も報われて欲しい人物になってました・・・(笑)(涙)。

次週、わゆの心の変化・・・に注目です。