サブカルチャーマシンガン

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旧syrup16g全曲レビューその10「生きたいよ」

2022-06-19 | 旧syrup16g全曲レビュー









一生って短いね
一瞬で消えちゃって
逝っちゃって
後悔するのよね










20年前の今日、
syrup16gのメジャーデビュー作である「coup d'Etat」というアルバムが出まして、
それでまあ記念すべき20周年なんですけど・・・五十嵐さんの誕生日とかは覚えてないくせに、
こういう事だけちゃっかり覚えてる~っていう。
もうね、
この曲の事なんて、
高校生の頃死ぬほど聴いてたんで、
最早改めて聴き返すまでもなくソラで語れるレヴェルなんですけど。
 まあでも、
あれから20年も経ったのか~と想うと感慨深いですね
当時の自分はまだ高校生でメジャーデビューって単語にまだ価値のあった時代で、
正直今よりも大分若かった(当たり前)けど、
若かったからこそ時間の大切さに気付けてなくて、
色々と後回しにして来た事柄が多すぎて・・・今振り返るとダメダメでしたね
かと言って、「今が最高!」かと問われると、ぶっちゃけ若さを失ってしまった事に因る、
可能性と言う名の扉がどんどん狭まってくのを肌で感じてるんで別に全く最高ではなく・・・・・。
唯一、
この曲が最高だという事実は揺るぎのないもので、
あれから20年か~と思うと早いな。という気持ちと「確かに。」って気持ちと両方ありますし、
なんだかんだこの曲を聴きながらずっと生きたいよ状態をキープしている~とも取れますし、
そう考えるとシロップって❝希望のバンドじゃん。❞とは素直に感じますね(笑
 先ほど、
自己を卑下する記述をしましたが、
「生きたいよ」を聴いて感銘を受けた人間が、
そのまま「生きたいよ」という想いを抱えて生き続けている
むしろ それはそれである種シロップの正しさを証明してる気がして、
なんか若干誇らしい気分にもなってくるのがちょっと不思議と言うか巧妙と言うか。。


個人的に、
この曲はシロップの中でも特に思い入れが深すぎて、
逆に何を書いて良いのか分からない~というある種の課題曲の一つでした
当時はMDウォークマンで聴いてたんですがこの曲だけ執拗に聴く時期とかもあったり、
それは高校の時の自分が結構やけくそモード長かったんでその状況とマッチしてたのもありました
偏差値の低い傍目から見てもしょうもない高校、
その高校に向かう途中のしんどい坂道とかで聴いてると、
不思議と心境と風景と融和する感覚もあってそれが非常に堪らないものでした
あれは一つの音楽的オルガズムの体験だったな~、と今想起するとそんな風に感じますね。
なので、
ぶっちゃけ、
この曲って自分の❝青春❞を象徴する一曲だったりもする訳です
「生きたいよ」が青春の曲~って書くと若干陰気な印象も与えるかもしれない
しかし、
個人的にはこの曲が自分の青春の曲であって「良かった。」とは心から思っている
自分の辛い時の心境に寄り添ってくれてたのは本当救われた気分だったし、
そもそも、
「生きたいよ」っていうのは言葉の印象でパッと見暗い風にも映るけど、
「生きたい」って言ってるのにネガティブに捉えられるのはちょっとおかしいな、と(笑
この曲は、
聴けば伝わると思う
自身のままならない現状を嘆きつつ弱音出しまくりつつ、
だからこそ、❝そう❞ではなく、ちゃんと「生きたい。」という渇望を叫んでいる
そう考えるとこの上なく泥臭くて足掻きまくっているむしろ今風の言い方で「エモい」曲だと思う
まあ実際、曲調的にもサビで思い切りエモーショナルに叫び倒していますけど・・・
 当時は、
eastern youthとかMO'SOME TONEBENDERなどに代表されるように、
所謂激情系というか叫ぶロックが主流だったのもこの曲を聴いてると思い出しますね
そういえば、近年はあんまりシャウトを多発するロックバンドは少なくなりました
まあそれはそれで時代の流れというか、、、
逆に言えばもう既に色々なバンドが音源とかで残してる訳ですから、それを聴けばいいだけの話ですね。
それぞれの時代にそれぞれの時代で格好良いとされるものがちゃんとありますから。

個人的に、
ちゃんと頑張ってるんだから、
否、
頑張れてない部分もままあるけど、
せめて頑張って努力した分だけはそれが「正しくいって欲しい」
そんな人生になって欲しい、そんな人生を❝生きたい❞
そういう・・・
ある種真っ当な本懐を聴き手に感じさせる、刻み付けている感覚もあり、
勿論自己のペーソスにしっかり浸る良さもあるしそれもまたこの曲の最高においしい部分のひとつ。
に、加えて、
心の奥底に眠っている本懐を解放する、そういう楽曲でもあると感じます
なので様々な観点から感情移入の出来る秀逸なナンバーだと心から思いますね。
シロップ16グラムが聴き手の心にいつも寄り添ってくれたお陰で、
生きて来られた人も少なくは無い~って感じます。
当人らにそのつもりがなかったとしても。






でもね、
この曲に関してはね、
何度も書くけど通学時に聴き過ぎ!ってくらい聴き倒してるんでね、
今更しっかり書く~というよりはもう既に自分と一体化しちゃってるよ。みたいな、
そういう曲なんですよね
なので、
本当にどう書いて良いのかは分からなかった
分からなかったけど、この曲が世に放たれてから今日でちょうど20年!っていう節目だったので、
なんとか自分と対話するようなテンションで思い出語りを含めて書けた、って感じです。
 この曲はここに来て記述するのも何ですが歌詞のクオリティも最高で、
もっと言えば淡々とした始まりから、
一気にサビで爆発する~っていうオルタナティブな構成もまた最高で、
特に「Nobody like そんな Beautiful」っていうフレーズは神懸ってると当時から思ってました
語感も良いし意味合いも良いし、何より英語と日本語の組み合わせの妙が素晴らしいですよね
正に五十嵐さんにしか書けない類の歌詞ではあると思う

今聴くと、
冒頭で引用させてもらったフレーズもかなり刺さって来るなと思いました
当時、大好きだった同級生の女の子、「いつか想いを伝えよう。」ってずっと思ってたけど、
今振り返ると「いつか」だなんて思ってる時点で既に大きな間違いを犯してた事に気付いた
「いつか」なんて思ってる内は自分は何者にもなれない
何一つ成し遂げられる事は出来ない。

そんな事を、
「一瞬で消えちゃって」っていう後悔の念に満ちたフレーズを聴いてしみじみ感じている
今では30代も後半に差し掛かろうとしているいちおっさんの心には相当響くフレーズでもありました

そう考えると、何気に新しい発見というか、カタルシスの感じ方が未だにあって、
音楽って面白い、この曲もやっぱり奥深いな。とも強く感じたのでした
ありがとう「生きたいよ」
そして、
ありがとうsyrup16g。
これからも聴き続けますし、ライブがあったら必死にチケット取りますので!!