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この話は観ていて泣きそうになりましたね。
冷静に観返すと、スリ知ってんならもっと怪訝な反応を見せても良いのに、
完全に気付いてない風だったのは「そういう事」だったんでしょうね
悪魔と、
人間の❝絆❞・・・
こうなってくると、
悪魔退治の意義は?という考えも浮かんでくるんですが、
でもやっぱ様々な影響があるからな、、、彼らも彼らの「正義」の元に動いている。し、
ハリエット達のやっていた事が100%正義~ということも無いと思う。
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ただ、
小賢しい低級悪魔の筈だったのに、
自分の命を投げ出してまで魂だけの存在になっていたハリエットを救おうとするシーンは心打たれた。
そもそもが、魂を頂いて自分の糧にするつもりで契約したという経緯があったのに、
魂だけの存在になった契約者の為に命を投げ出す~というのは滑稽だと思う
しかし、
それがモリーの本懐だったのだ。
何の地位もない自分を信じて契約してくれたこの娘の為に、自分の命を遣う。
悪魔としては本末転倒もいいトコですが、
彼女の為を想って必死に泣きじゃくるモリーを観てたら自然と涙が出そうになってしまった。
理屈的に言えば、
ウィステリアを危険に晒した張本人のはずなのに・・・
この結末そのものが、その行為の代償というか因果応報だったのかもしれないですけどね。
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しかし、
マルバスの言っていた「無駄ではなかった」というセリフ、
これは原作の時から好きなセリフだったんだけど、
アニメで声付きで語られると、
ちょっと作品からは逸脱するかもしれませんが現実に置き換えて考えてしまった自分も居ました。
例えば、
今ではもう会う事の無い人、
会えるけど会わないだろう。という人、
物理的に会えない人・・・人生は出会いもあるけど別離も多くて、
それでも・・・・・
あの時、
自分を叱ってくれたこと、
自分の歌を素直に聴いてくれたこと、
自分の大切にしてる事を肯定してくれたこと.....その全てが血肉になっていて、
確かに、
「もう会えない。」
「もう分かり合う事はない。」と淋しく思う自分もいるものの、
でも。
マルバスの言う通り「無駄ではなかった」
例えその瞬間に限りがあったとしても、
あの日あの時あの人の行動が今も自分を突き動かす原動力だったりもする。
そう、
アニメを観ながら、
マルバスの声を聴きながら、
なんかそのメッセージを自分自身に重ねて居たんですよね。
ハリエットは最終的に魂を差し出してモリーの糧になる事を選んだけれど、
それは結果的に無駄になったようで、実は生きてる時よりもずっと大きな幸福を得ていて・・・
モリーが居なければ自分を必要としてくれる人も泣いてくれる人も居なかった。
そういう意味では、最後の最後で彼女は本懐を果たしたのかもしれない。
だから、きっと「無駄じゃない」
モリーにとっても、
これからの道の上で彼女の存在はきっと生き続けていく
そういう意味でも、無駄にはならないし、それはウィステリアにとっても。
「今」は「ここ」になくても、それだけが「すべて」では無いし、
想いを馳せながらずっと胸に居て貰う生き方もあるから。
そう思うと、
非常に概念的なエピソードであり、
非常にノケモノらしい哲学性にも満ちたお話だったかなぁ、と。
天国になんて行けなくても、モリーと共に居る時間こそが天国だったと思うから。
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第3夜より引用。ここだけ切り取ると、マルバスが主人公に見えない(笑
この話で他に気になる部分と言えば、
剣十字とのやり取りでしょう。
視点で言えば、
ウィステリア視点なので彼らの方が「敵」になるけど、
しかし、彼らの視点で観ればマルバスってとんでもない化け物だな~と。
そりゃ、
退治に掛かるのも分かるし、
やっぱり得体の知れないものをそのままにしておけないのが人間の性ではある。
そもそも、契約と言う概念自体が受け入れ難いものでもあると思うし。
そう考えると、
改めて本作に「正義」って無いな。というか、
それはモリーとハリエットの関係性からも言えますけど、
そう・・・ですね
本作のそういう部分が良い意味でグレーで自分好み~っていうのはあるかもですね。
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最後に。
お腹が鳴って紅潮するウィステリア、
めっちゃ可愛かった!(超笑顔)🤤👍
あ、
ちなみに原作2巻の最後のおまけページに、
その後のモリーの4コマが描かれているんですが、
それがまた初めて見た時ちょっと感動したくらい良い感じのものなので・・・
興味があれば、是非。というところですね。