サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【答えを出す為に】SHIROBAKO 第14話「仁義なきオーディション会議!」 感想

2015-01-16 | SHIROBAKO
「紙前未槻」って・・・(笑)。











まあ、100%満足してたら自己表現なんて続けないですよね
こっちは仕事じゃないのでアレですが自分も自分の文章に100%満足した事なんて一度たりともありません
「納得」と「満足」は別モノですからね。頭の中に浮かんでるイメージ、感情を具現化する事に於いて、他細かい諸々等
正直他人と比べようが比べまいがやっぱりどうしても足りない部分が際立ってしまって精進したくなってしまう
それはストイックなどではなく単にわがままっていうか、気にしいっていうか、
一言で書くと良くも悪くもナイーブなんでしょうね(笑
自分は単に日常の一部としてやってるだけですけど、彼は本業なのにも関わらずこだわりを持って相手を選んで仕事している
そのスタイルの是非はあれど、立派な求道者であり彼なりの美意識を持って仕事に取り組めている一つの理想のモデルなんだろうなあ、と。

「完璧じゃなくても良い」とは言うものの、
初めっから諦めてダラダラ過ごした上での「完璧じゃない」と
自分なりに頑張って出来る事を必死でやろうとした上での「完璧じゃない」は全く違いますよね
完璧じゃなくても良いと思う、だけど、「完璧であろうとする心」がなくなったらどんどん妥協していくだけだなあ、と
そういう意味でも自分にわがままだったり気にしいなのは案外悪い事でもないのかもしれないですね。
彼の仕事が三女にもたらす影響等も含めて今後の展開が楽しみです。





だけど、それとは裏腹に正に「監督はつらいよ」状態に陥ってたのが木下監督でした
仁義なき声優オーディション、うん、想像以上に仁義なかったですね(笑
ただ、彼らが監督にとって“敵”かと言えばそうじゃないですよね
出資者、つまりは基本的にはパートナー
ごり押し、売り込みと聞けば、聞こえは悪いですが彼は彼らでちゃんとした目的があり全部の意見が一理ない訳でもなかったんですよね
だからこそ難しいし、その一方で彼らを単純な“敵”として描かず彼らは彼らで出資したからには自分の意見も取り入れて欲しい
または自分とこの所属タレントを売り込みたいというある意味物凄く切実、もっと言えば必死な様が実に生々しかったなあと(笑
一応水島監督作品らしくコミカルに描いてはいましたけど、でもあれはあれでリアルをベースにコミカルさを味付けしたものだったりするんでしょう
だからアニメ制作は根が必要だし、監督って立場は人をネガティブや神経質にさせるくらい苦労するものなんだろうなあ、と(笑

しかし、そんな生々しい現場を切り売りしただけの作劇にはなっておらず
作中で音響監督さんが明確な答えを出されていました
「私たちが育てればいい」
経験の少ない新人~という短所を散々指摘された上での発言でしたが、妙に腑に落ちる発言でしたね
元々の素材が評価されたのであれば、自分たちがその場その場で指摘して周りに安心出来るベテラン声優を置いて
根気強く育てればいい、ただそれだけの話。っていうような“潔さ”が素敵で周りを黙らせるだけの力があったと思います
考えてみりゃ人気声優用意して、とか、歌上手い子を、って有り体なチョイスこそ先週よろしく“思考停止”なのかもしれません
所謂感情論やきれいごと以外の理論を駆使して納得させるに至った一連の流れは惚れ惚れするようなカタルシスがありましたね
今の情報化社会という現状に自覚的で良い意味で慎重な音響監督さんは音響監督さんでまた立派だったと思います
また一つ、今後に於けるカタルシスの卵が出て来たかな、と個人的には。

ただまあ、キャラソンとかイベントだとか今や本当に多角的にキャスティングを考えなければいけない時代である、という
「アニメーションの今」の一部が端的に描かれていた内容にもなってましたね
それが勿論“すべて”ではないですけど、
単に演技が上手い下手/声質が合う合わないだけでは済まされない現状が描かれてたのがとても面白く
でもいちから育てていくのも我々の仕事だよ、と言わんばかりの水面下のメッセージも効いてて二重に楽しい回だったと思います
まあ勿論「みんな大変なんだなあ」って事実もしみじみと感じざるを得ませんでしたけどね(笑
エンタメとして仕上げつつもしっかりと「SHIROBAKO」らしい(誠実であるということ)着地点に落として来たのが見事だったかな、と。

ちなみに棒云々に関して言えば「純粋な感じ」という主張も分からなくもないです
個人的に「ゼーガペイン」の花澤さんの演技当時から凄い好きでしたもん(笑)。
あれはあれで素朴な役どころに似合ってて普通に観てたんですけどね。
その辺は人によるんでしょうけど。





そんな中でみゃーもりのツテからりーちゃん(今井みどり)がお手伝いとして武蔵ニで働く事に(!)
これは今までのりーちゃんの努力が報われたと同時に、貴重な業界への足がかりとなった訳ですから素直に嬉しかったです
それは脚本という形ではないけれど、先週までの焦燥感と比べたら間違いなく良い傾向なのは確かで
また珍しく緊張気味のりーちゃんが可愛かったり(笑
真面目な姿勢も伝わって来たりと、
逐一好印象、
先輩であるみゃーもりが彼女を紹介するシーンの数々は第1話からすると遂にここまで来たんだなあ・・・という感じでちょっと感慨深かったです
まだまだ本懐を果たせるまでには時間が掛るでしょうけど、彼女らしく頑張って欲しいものですね

なんて思ってる一方で中々結果が出ないずかちゃん、
りーちゃん、みーちゃんが好調な中あちらが立てばこちらが立たず
みんながみんな上手くいくわけじゃない・・・のはとても生々しかったですが
また「第2候補で落とされた」っていうのが更に生々しくて印象深かったです
確かに前進はしているけれど、
でもみんなと同じペースで歩む事は出来ない

ただ、それでもいいんじゃないかと思います
誰もが誰も早足で歩けるワケじゃない
早く歩くだけがすべてじゃない。
事実、監督の印象には残れた訳ですし
これはアニメだからその事実が明るみに出ますが現実だってもしかしたら“あと一歩”って事象が起こってるかもしれない
それを信じるか信じないかは個人の自由ですけど、ただ歩みを止めない限り道は続くのもまた事実であります
目の前の結果「だけ」に執心しない事こそ重要だと思いますから報われる事を信じて頑張って欲しいですね
ある意味ずかちゃんの“あの姿勢”こそ若人(わこうど)に伝えたいメッセージなのかもしれません。
そんなずかちゃんが報われる瞬間もまたファンは皆楽しみにしてると思うので、是非。
















今回、みゃーもりは平穏と言えば平穏でしたが
高梨とはまた別の意味で厄介な同僚が入って来たり
スタジオタイタニック(なんか不穏な名前ですねー 笑)の人も一筋縄では行かなそうな性格をしてたり
益々波乱万丈な展開になりそうでワクワクしています。エンタメでありながら、確かなドキュメントでもある。
それが「SHIROBAKO」の本質なんだと深く感じ取れた次第であります。「結果至上主義」に対するアンサーも出そうでその点にも期待、ですね。

ちなみに冒頭の画像関連で新OPの絵コンテは「妹ちょ。」監督の畑博之さんだったりします
青空を駆使したカット、物語性の演出なんかは「妹ちょ。」にも通じる部分があってその辺もまた個人的に楽しんでいます
「空のリゾット」は「天体(そら)のメソッド」のパロでしょうけど自分の好きな作品のスタッフが重なってるのってなんかイイなっていうか
それもまた偶然ではないんだろうな、って気はしてます。




最新の画像もっと見る