木下監督はきっと完璧主義者に近い部分がある・・・んじゃないかと思います
あの5本も抱えてた演出家さんは「適当」なのではなく、例え部分部分でクオリティを落としたとしても
兎角仕上げる事、ちゃんと発表する事、数をこなす事に意義を見出すタイプで、多少デフォルメされつつも
それもまた結局は「主義・思想の違い」というテーマに落ち着くんではないか、と思います
仕事場でも誰もが誰も同じ目線で同じ価値観を共有している訳じゃない、
ぶっちゃけ誰もが誰も足並みを揃えてる仕事場なんてないと思われます(笑
ストイックにやりたい人もいれば、
そこそこで良い、って思っている人だっている
それはどっちがより正しいか、より悪いかなんて事柄ではなく
もっと複雑でもっとデリケートでもある・・・そんな問題だと思います
他人を変える事なんてどう考えても難しいし、ある種本人の心持や育って来た環境に因る部分もありますから
ただ、他人を変える事は出来ないけれど、
自分が変わる事は出来る、と思う
そこに気付けるか、
気付いたとしてどういうアプローチが待っているのか
はたまた全く違うタイプの答えを出すのか・・・いよいよ「仕事」に於ける本質に迫るディープなフェーズに突入して来たのをヒシヒシと感じます
仕事に於ける姿勢やモチベーションの違い、それに対する和解やアンサーなどなどまた更に楽しめそうな内容が待ってそうでワクワクします
今週は割と「仕事の都合の悪い部分」をフィーチャーしてましたが、それもまた理想だけを描かずリアリティを追求している証拠であります
百戦錬磨を乗り越えて来たであろうスタッフ陣が「これから」をどう描いていくのか、
そして只今、ど真ん中で“試練”を抱えつつあるみゃーもりの行方は一体・・・!?というところですね
みゃーもりは2クール目に入ってからいちいち動じなくなったり、
ちゃんと「教訓」を実践していたりと着実に“成長”を遂げて来ましたが、
まだ「デスクとして」の本当の成長は「ここから」って気も個人的にはしています
エリカさんの意志を受け継ぎ、あくまで冷静に、あくまでどっしりと構えてやってるようにも映ってましたが、
そこはまだ経験不足な面もあり今週は遂に久々にテンパって本田さんよろしく「デスクの苦悩」を味わってしまいました
自分のミスとか自分の不手際が自分に襲い掛かるのではなく、相手の不手際や部下の経験不足が自らを蝕んで行くというある種理不尽な事態、、、ですよね
今週みゃーもりが久々に大きく苦悩していたように、本田さんもまた1クール目は相当辛かったんだろうな・・・って今週分でしみじみと感じました
そこへ最強の上司の一人である矢野エリカさんが登場・・・!したのは正直すっごく安堵しちゃいましたが(笑
ちょっと久々にみゃーもりがナーバス状態にも突入しそうで少し戦々恐々としているのもまた事実
でも、本作に於けるトラブルや不都合はすべて「後々のカタルシスに繋がるフラグ」でもありますから
結果的にはみゃーもりが頑張った分だけ、努力した分だけきっと“何か”に繋がってくれると信じています
重要、というかよくある落とし穴としては“今すぐ結果を急いでしまう”って事で
本当に大事なのはイージーに目の前に転がるラッキーよりも
積み重ねによる得難いカタルシスなんですよね
それを是非彼女には得て欲しいですし、
この作風なら、誠実な作劇を繰り広げて来た本作ならば、きっと描いてくれるであろう、と
まだまだ問題は山積みで酸いも甘いもまだまだこんなものじゃ済まないだろう、とは感じてますが
どういう結果になったとしてもみゃーもりが頑張ったからこうなった、みゃーもりの努力のお陰でそれが生まれた
そう彼女自身が思えるような、ちゃんと自分の頑張りを“自分の所為”だと噛み締められるような
そういう顛末になればいいな、って個人的には思っています
色々と考えさせられるような話数にもなっていましたが、
人それぞれ価値観や思想、目指すものが違うっていう曲げられない事実は確かにそこに存在し続けていて
肝心なのはそれを認めた上でどうするか・・・って事じゃないかな、って思ったりもしました
でも大御所の美術さんは思ってた以上に実は生真面目な仕事人でしたね(笑
それが彼女の救いになってくれれば、と願ってます。
一方で音響監督の稲浪さんのイケメンっぷりが光ってた話数でもありました
自分は「有言実行」する人が大好きです
それは俺自身意志が弱いんで憧れる、っつーのもありますけど(笑
でも正直自分が言った事、やると決めた事を貫き通している大人はめっちゃ格好良いと思います
彼自身「我々が育てればいい」と公言したように、ちゃんとリラックスやテクニックを自然に教え込み、
例え仕事が長引いても根気強く教えて行く姿勢、そして鈴木京香さんの頑張りに胸が熱くなったのもまた個人的にありましたね
それはきっともっと楽な道があっただろうけど、敢えてそれを選ばず、未来を見据えた誠実な大人の仕事だったりもするんですよね
こうやってしっかり育ててもらったからこそ、また次のステージに繋がったり、後々に制作側としても還元されたりもする
これまでこういう部分はあまり描かれて来てなかっただけに思わず感心してしまったエピソードでありました
そして、また後々に繋がるカタルシスが増えたなあ、と(笑
三女、個人的にも成功して欲しいですね。
この作品に関わっている皆さんと皆さんの今後の為にも、ね。この作品はちゃんと“過程”も描いてますからね。
頑張れば報われる、なんてただの幻想に過ぎませんけど
でも頑張らなきゃ頑張らないで返って来るものなんて何一つない、
棚ボタやラッキーパンチを期待してる時間だけ無駄が降り積もっていくのもまた拭いのようのない現実・・・であります
だから、みゃーもり、頑張って欲しい。すぐには報われずとも、後々返って来るものがある、はず、です。
それを期待しつつ来週以降はまた更に色々と注目しながら観て行きたい、ですね。
個人的に今放送されてる中で今一番好きなアニメです。