Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

私のスピーカー考

2011年12月13日 | ピュアオーディオ

今までに沢山のSPを聴いて来ました。若い頃は愛知県に住んでいたので、年に3回ほどは新幹線に乗って東京秋葉原の電気街に通って、オーディオ店巡りをしていました。もちろん名古屋の方もめぐっています。当時はオーディオの興隆期で、何処のオーディオショップも盛況な状況でしたので、色々なSPが設置して有りました。

パラゴン、オリンパス、L-45フレア、#4320、タンノイGRF、レクタンギュラーヨーク、A5,A7、バイタボックスCN-191、バイトンメジャー等の外国製、パイオニア、ビクター、テクニクス、オンキョウ、ヤマハ、Lo-D等の国産製。

その後JBL#4343が爆発的な販売を記録して、一躍SPのステータスシンボルになった様に思います。かく云う私も「#4343にすればSP探しは終わり。これで一生SP交換はしない」と思って購入した一人です。ですが、25年以上使い続けて来ますと、良い所も判りますが、悪い処が気になりだしていました。他所でJBLの2インチスロートのコンプレッションドライバー(#375・2440等)を聴いた後では、エネルギー感の違いを認識せざるを得ませんでした。スケール感がまったく違います。

JBL#375や2440、ガウスHF-4000等の2インチスロートのコンプレッションドライバーを使うなら大きな部屋がいる…と云うのがそれまでの使い方の様な気がします。実際、「咆哮」と云える鳴りから逃れるには大きな部屋が必要です。しかし、私は#4343の替わりに#375を使ったシステムを使いたいと考えました。6畳や8畳の部屋で使える様なSPを模索しました。当時から既に30年近く経っていますので、この要望にこたえる様なSPはJBLのK2シリーズぐらいしか有りませんでした。価格を見て、一般サラリーマンが手を出せる金額とは思いません。JBLも1973年以降のSPについては、プロ用ユニットに変わり、高出力のアンプでドライブされる事を前提で作られている様に感じます。

自分用のSPは探しても有りませんので自作するしか有りません。かと言って全てを自作するのは不可能ですので、良いユニットと箱を見つけてアセンブルするしか手は有りません。

「8畳の部屋で#375を使ったSPシステムを鳴らす」事をテーマに現在の「オリンパスシステム」を作成しました。現在では6畳の部屋でも使えるようになっていると思います。都会の住宅事情は田舎と違って極少化されて来ている様で、都市部でオーディオをやる方の広さは6畳のお部屋が平均の様です。こんな部屋でもJBL#375を使ったSPが使えたら素晴らしい事だと考えました。

SPを固定してCDP・アンプ(ドライブシステム)を変えますと「生演奏型」~「歎美な世界」まで対応できそうです。静かに音楽を楽しみたいなら歎美な世界で、防音が出来て大音量再生が出来るなら「生演奏型」で・・・とドライブシステムを吟味する事で可能です。

現在#375を使ったシステムを3セット使っています。それぞれに描き出す世界を変えていますので、まったく違ったSPの世界を出しています。使っているユニットはほぼ同じ様なものです。ドライブシステムとウーハー及び箱が違うとその世界は当然変わって来ます。

自作でSPを作る場合、「初めから良いモノは出来ない」と思っています。完成への過程で試行錯誤や失敗が有り、徐々に成長させて行くやり方を取って来ました。これなら精神的負担が軽くなります。また試行錯誤の過程で何度も方向性が間違っていた事に気付きます。その都度、判断をして行きます。そうやってノウハウやスキルを身につけて行くのも、「オーディオ」の楽しみ方の一つだと思います。